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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第348号】 ~クチコミとデリバリーで変わる中国消費~

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2018年12月12日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第348号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 先週のメルマガで今年の冬はなかなか寒くならないといった途端に寒さが一気に増し、週末には上海も雪が舞いました。まだ降り積もるほどの寒さにはなっていませんが、ようやく本格的な冬到来です。

 本日は12月12日で「双12」。アリババが仕掛けるオフライン(リアル)でのキャンペーン・イベント日です。「吃喝玩楽(食べて、飲んで、遊んで、楽しむ)」というキャッチフレーズのもと、主にレストランやバー、ショップ、コンビニ、スーパー、モール、ヘアサロンなどで大幅な割引価格が提示されています。

 2014年に始めた双12も今年で5回目。このイベントに参加する店舗は当初の2万から今年は200万を超えるようで、総額2億元相当のクーポン(優恵)券が配られるとのこと。例えば、口碑(コウベイ)アプリで料理を注文すれば、満20元で5元、満50元で10元の割引になります。

 今年はさらにアリババグループ傘下のネット出前アプリ「餓了麼」もセットとなっており、11時から15時の間に各種割引クーポンの「紅包雨」を降らせるとのこと。中国在住の皆さん、今日のお昼時は餓了麼アプリを開くこと、お忘れなく。

 今週のコラムは前週紹介した「口碑」と「餓了麼」が合併した新会社についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第348号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第348回)
     ~クチコミとデリバリーで変わる中国消費~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2018年10月号(vol.58)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第348回)
 ~クチコミとデリバリーで変わる中国消費~

 先週のメルマガでお伝えしたアリババの新会社「阿里本地生活服務公司」。クチコミアプリの「口碑(コウベイ)」と、今年4月に買収したネット出前(フードデリバリー)の「餓了麼」の両社を統合。消費者を「お店へ」と誘導する口碑と、「お店から」お届けする餓了麼を合体させたアリババの狙いとは。

 すでに4月の餓了麼買収以降、ユーザーアカウントだけでなく、支払いや紅包(ホンバオ=お年玉)、クーポン券などマーケティング機能を統合。餓了麼傘下の配送プラットフォーム「蜂鳥配送」も、口碑が推し進めるオムニチャネル概念「新小売」業務に組み込まれ、口碑の出前サービスはすでに餓了麼に移行済みです。実際に餓了麼のオーダーの1/3が、支付宝(アリペイ)、手淘(淘宝アプリ)、口碑からとなっているもよう。

 両社の統合により、676都市で350万の店舗をカバーしています。餓了麼の配送スタッフ66.7万人、口碑アプリユーザー1.68億人、そして口碑アプリによる注文システムを導入している飲食店も30万超。さらに両社共同で金融サービスを提供、店舗への貸付総額は400億元に達しているとのこと。

 今回の統合は一方で、ライバルである「美団」への宣戦布告ともいえるでしょう。同じくクチコミアプリ「大衆点評」と出前アプリ「美団外売」を擁する美団。同社のカバー範囲は全国2500の市県に及び、18年第1四半期のネット出前シェアでも54%と、35%の餓了麼を上回っています。

 今年の「双12」イベントでは「口碑+餓了麼」を大々的にアピール。今年5回目となる双12ですが、2014〜15年はスマホ決済「支付宝」を普及。16〜17年はクチコミアプリ「口碑」と支付宝を融合。そして18年はさらにネット出前の「餓了麼」を組み込むことで、半径3キロメートル内の生活圏、つまりアリババがいう「本地生活」内のサービスをワンストップで提供します。

 口碑を使ってお店を探し、お店ではアプリを使って注文。自宅では餓了麼で出前を注文。もちろん、淘宝網(タオバオ)や天猫(Tモール)でネット通販を楽しみ、生鮮品も盒馬鮮生や大潤発など傘下のスーパーで買います。さらにはコーヒーも8月に戦略提携を発表したスターバックスから宅配してもらう。これら全てがスマホのアプリと決済とで「データ化」することで、8億人に上る中国の都市住民の「都市生活」を再定義、より良く、便利にさせたいとしています。

 今回の新会社にはソフトバンクも投資しているとか。改めて同社の手広さに脱帽です。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆“無印良品”風の「ノンブランド」が中国で大人気 (6)
 ~ノンブランドECブームの牽引役

 2016年4月に運営をスタートした網易厳選は、国内初のODM (相手先ブランドによる設計・生産)型ECブランドだ。国内外の一流ブランド製造企業と提携、生産段階を厳格に管理することにより、ユーザーにハイクオリティな商品を提供。ノンブランドECブームの牽引役となった。網易厳選の設立当時は、EC関連の創業にあまりふさわしい時期とは言えなかった......

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◆“無印良品”風の「ノンブランド」が中国で大人気 (5)
 ~「新消費」コンセプトとは? 生活や幸福感、エコ、健康を重視

 中国大手ネット企業、網易(ネットイース)CEOの丁磊氏は、2017年11月に開催、中国と台湾の企業家が経済交流の拡大について話し合う「両岸企業家紫金山峰会(サミット)」で「新消費(新しい消費)」のコンセプトを提唱した。 「サービス、販売、あるいは陳列方法など、小売におけるあらゆる形式の変化は、すべてユーザーのニーズを理解するところから始まる...... 

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◆“無印良品”風の「ノンブランド」が中国で大人気 (4)
 ~ノンブランド人気爆発の背景は?新中間層は「里子消費」へシフト

 中国では中間層が拡大の一途を辿っている。彼(彼女)らは膨大な消費力を有し、消費観も以前とは異なる。価格にはそれほどこだわらず、むしろ品質やクラス感をより重視。格調や生活のクオリティの高さが、彼らを引き付ける大きな要素となっている。欧米や日本の過去の経済発展の経験から、1人当たりGDPが2.5万米ドルに達すると、ノンブランドブームが起きることが明らかになっている。日本における無印良品の成功も、まさにそのタイミングだった......

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◆“無印良品”風の「ノンブランド」が中国で大人気 (3)
 ~「世界の工場」としての経験がベースに2017年から大手各社も続々と参入

 1978年から始まった改革開放政策を機に、「世界の工場」として、長い間世界の様々なブランド企業に対してOEM(相手先ブランドによる生産)生産を行ってきた中国には、一流のデザインと製造能力を兼ね備えた優秀なメーカーが数多く実在している 。中国経済の発展とともに中国消費者の所得も向上し、内需も拡大。一方、人件費の高騰により、海外からの注文も減少傾向にある。そうした中、内需型への転換を迫られている下請けメーカーにとって、OEM生産以外の生存方法をちょうど模索していたところだった......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2018年10月号(vol.58)発行

 会報誌2018年10月号(vol.58)は、急成長する中国コーヒー市場にスポットライトを当てました。

 上海に初めて移り住み始めた2004年ごろには、まだ市内にも数えるくらいしかなかったカフェ。「中国は茶文化の世界だからコーヒーなんて…」と言われていた当時から10数年経った今、まさかここまで中国全土にカフェが広がり、かつ中国の人たちが日頃からコーヒーを楽しむようになるとは想像できませんでした。

 グルメ生活関連クチコミアプリの「美団点評」研究院が公表した飲料業界の報告によると、16年に中国のカフェ数は10万店を突破したとのこと。そのうち、店舗数で中国カフェチェーンのトップに君臨するのが、米スターバックスコーヒーです。1999年に北京で第一号店をオープンして以来、19年間で中国141都市、3300店近くを運営しています。

 市場シェアでも、ユーロモニターと中商産業研究所が共同で発表した「2017年中国カフェチェーン市場シェアランキング」で、スターバックスが51%と堂々のトップ。2位以下の台湾系上島珈琲(12.8%)、マックカフェ(6.2%)、英コスタコーヒー(5.7%)を圧倒しています。

 スターバックスは2018年5月に中国で開催された投資者向け会議で、今後5年間に中国で毎年600店以上をオープン。22年末までに店舗数を230都市6000店にまで増やすと宣言。もはや「向かうところ敵なし」の様相で、トップの座を盤石にする計画を華々しく発表したかと思った矢先、同年第2四半期の財務報告で、中国及びアジア太平洋地区のオペレーション利益が7.6%減、同一店舗の業績も前年比平均2%程度減だったとのこと。中国進出以来19年間で初の利益減となりました。

 この利益減の背景として、景気減速による消費者の節約志向や他チェーン店との競争激化、コンビニコーヒーの普及など挙げられますが、一番の原因は「新小売(新しい小売)」カフェの台頭でしょう。

 新小売とは、16年にアリババ会長のジャック・マー(馬雲)氏が提唱。ネットとリアルの垣根をなくし、ビッグデータと物流を高度に融合させるオムニチャネル概念のことですが、まさにこのコンセプトを体現させた新しいタイプのカフェチェーンが、今、怒涛の勢いで一気に勢力を拡大しています。

 スマートフォン(スマホ)のアプリから注文、決済を終えると、後は配送されるのを待つのみという至ってシンプルなモデル。もちろんお店に行ってピックアップすることも可能なのですが、そこでゆっくりと友達や同僚とおしゃべりしながらコーヒーを楽しむための席はほとんど用意されていません。つまり、近年中国で普及する「餓了麼」や「美団外売」などネット出前(フードデリバリー)に特化したカフェ形態が、今やスターバックスを脅かす存在にまでなっているのです。

 その代表格が「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee・瑞幸咖啡)」。2018年1月にテスト営業を開始、その後5月8日に正式オープン。現在、北京、上海、広州、西安、青島など全国21都市に1400店あまりを展開、瞬く間に中国国内第2位のカフェチェーンに成長しました。

 エレベーターやチャットアプリの微信(ウィーチャット)内で大量の広告を流し、一気に知名度をアップ。一杯目無料のキャンペーンで、まずはお試しをさせながら、その後ひっきりなしに割引のクーポンがショートメッセージに届きます。「2杯買えば、もう1杯無料」、「5杯買えば、もう5杯無料」など同僚を集めて買うといったニーズも見事に掘り起こしています。

 厳選したコーヒー豆のほか、WBC(世界バリスタ選手権)の優勝者を監修役として招聘。コーヒーマシンやミルクなども欧米のトップブランドを採用するなど、昨今のより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドも強く意識。さらにはアプリ上で、コーヒーの制作過程や調理場の衛生状況をボタン一つで「ライブ中継」させるほどの徹底ぶり。

 合理的な価格、コストパフォーマンス、スターバックスにも劣らぬ品質で、多くの消費者層の心を掴むことに成功したラッキンコーヒー。同社の統計によると、オープンから3ヶ月以上を経た店舗でのリピート率は80%超とのことで、まさにスターバックスも「寝耳に水」状態だったでしょう。

 そうした中、スターバックスは18年8月にアリババとの戦略提携を発表。アリババ傘下のネット出前プラットフォーム「餓了麽」を活用したネット出前サービス「専星送」をスタート。世界初の試みとなったスターバックスのネット出前サービスは、同年9月に北京と上海の主要エリアからスタート。その後、広州、深圳、成都、杭州、天津、南京、武漢、寧波、蘇州の9都市にも進出済み。18年末には、全国30都市2000店以上で、ネット出前サービスの提供を実現させる予定とのこと。

 スターバックスのほか、コスタ、マックカフェ、香港系パシフィックコーヒー(太平洋珈琲)など大手カフェチェーンも続々と、この「ネット出前」市場に参入。新興のネット出前専門カフェチェーンも多く誕生し、まさに「群雄割拠」の時代を迎えようとしています。

 サードウェーブコーヒーブームを牽引している米ブルーボトルコーヒーも、中国はまだ未進出ながら、微信(ウィーチャット)の朋友圏(モーメンツ)では、日本やアメリカで同店を訪れた消費者が写真を多数アップしており、知名度はうなぎのぼり。上海に進出した米ピーツコーヒー(Peet’s Coffee)や最近人気の上海発高級コーヒーブランド「Seesaw」など個性的なカフェも、SNS(社交サイト)上で高い人気を誇っています。

 このように、今後もさらなる急成長が見込める中国コーヒー市場について、巻頭特集で市場全般を、トレンドウォッチではコーヒー出前(デリバリー)市場を、そして企業研究でラッキンコーヒーをそれぞれ取り上げました。18年8月に上海に初上陸した我が日本のドトールコーヒーですが、果たして勝機はいかに。同社はじめ、日本の飲食業全般にとって参考となるよう、調査・分析しました。

 このほかに、都市研究として中国主要都市の「商業魅力ランキング」を紹介。中国で特定の都市を話題にする際、その経済発展力や位置づけを「級」によりランク付けします。例えば上海は一線級都市であり、福建省の厦門(アモイ)は二線級都市のようにです。

 実は、この級によるランク付けは正式な基準があるわけではありません。一線級都市の北京、上海、広州、深センは揺るぎないのですが、それ以降の二線級、三線級、四線級となると、どんな基準が適用されているのか曖昧です。

 そうした中、2013年から中国経済専門メディア大手の第一財経の新一線都市研究所が公表している「中国都市商業魅力ランキング」は、最も権威あるランク付けの基準として注目に値します。よって、今号ではこの最新のランキングについて詳しく説明しています。

 特に注目なのが、二線級の中でも特に際立った実力を兼ね備え、一線級にもほぼ匹敵するほどの魅力を持つ「新一線級」の15都市について。今回はトップから成都、杭州、重慶、武漢、蘇州、西安、天津、南京、鄭州、長沙、瀋陽、青島、寧波、東莞、そして無錫の順。大連が21位で新一線級都市リストから外れるなど、中国の都市像もこれまでとは違った見方をする必要がありそうです。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2018年10月号(vol.58)  もくじ
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【巻頭特集】
『地方都市まで広がる中国コーヒー市場』
 ネット出前コーヒー店がスタバの脅威に

【トレンドウォッチ】
『中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪』
 コーヒーにもネット出前旋風?

【企業研究】
『驚異的スピードで店舗網を拡大「ラッキンコーヒー」』
 18年中国消費シーンの新星現る

【都市研究】
『“新一線級”トップは消費の都「成都」』
 中国都市商業魅力ランキング発表

【都市別調査】
茶館と網紅のマジック ~その③
『シルバーライフと若者消費に手がかり』

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