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【中国消費洞察メルマガ 第433号】~アリババ「阿里健康」のビジネスモデルとは??~

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2020年8月19日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第433号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 コロナが変えた世界…。中国のスマホユーザーのビッグデータを研究するMobTechが発表した調査レポートによると、2020年5月のMAU(月間アクティブユーザー数)で、テレワーク関連が前年同期比132%増、スポーツ健康系が同じく123%増と急成長したとのこと。

 世界に先駆けて正常化が進みながらも生活の“雲(クラウド)”化の勢いが収まらない中国。オンライン医療の分野でも、MAUが全体で4,000万人を突破。特に医療関係のEC(電子商取引)はMAU500万人超で、前年同期比45%増だったようです。

 実際に私の妻も最近このユーザー群に仲間入りした一人。連日の猛暑のせいか、身体に痒みのある吹き出物が発生。これまでも同じような症状があり、薬局でいわゆる“上火”(※のぼせているような状態)しているから“退火”の中薬(漢方薬)を紹介されました。

 今回も「叮当快薬」というアプリで類似の薬を買おうとしたのですが、OCT薬ではないため処方が必要とのこと。以前は医者からの処方箋のアップロードが必要でしたが、今回のコロナで、今はオンライン問診でも可に。アプリ上で医者と繋がり、処方歴やアレルギー等の有無などを問診され、翌日には宅配されました。まさに「新常態」ですね。

 今週のコラムは中国ヘルステック大手の アリババ系「阿里健康」アプリについてです。では、中国消費洞察メルマガ第433号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第433回)
   ◆医薬品EC事業の比率が95%超に…
    ~アリババ「阿里健康」のビジネスモデルとは??~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2020年6月号(vol.75)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第433回)
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◆医薬品EC事業の比率が95%超に…
 ~アリババ「阿里健康」のビジネスモデルとは??~

 新型コロナウイルスをきっかけに急成長が期待される中国ヘルステック(オンライン医療)市場。もちろん、アリババもこの巨大な潜在市場を前に、手をこまねいているわけではありません。

 2017年のダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は「ダブルH(Health & Hapiness)」戦略を提唱。健康(Health)をアリババの今後の2大戦略の1つに掲げると宣言しました。

 アリババは14年に、中国の国有複合企業大手・中信集団(CITIC)傘下の薬関連情報トラッキング・監督管理サイト「21世紀」を買収。名称を「阿里健康(アリヘルス)」に変更し、健康・医療領域に参入しました。

 阿里健康の業務は主に医薬品Eコマース+新小売、消費医療、オンライン医療、スマート医療の4つ。19年度の財務報告(3月末)によると、営業収入は50. 96億元で、実に前年比108.6%増と急成長。内訳は、医薬品の直営EC業務が82.95%、医薬品ECプラットフォーム業務も13.54%で、実に95%以上がEC業務となっています。

 最大の収入源である直営EC事業は、阿里健康が16年8月に医薬品ECライセンスを持つ「広州五千年医薬連鎖」を買収した後、名称を「阿里健康大薬房」に変更して誕生しました。

 19年度の営業収入は42.27億元で、前年比91.3%増。19年9月時点で累計2.3億人がアクセスし、そのカバー範囲は国内34の省、300都市以上に及んでいます。顧客サービスチームは2,000人超で、うち95%が薬剤師の資格を保持。

 ECプラットフォーム事業も、グループ傘下の天猫や越境ECの天猫国際などの医療・医薬部門を引き継ぐ形で吸収。19年度の総収入は6.9億元で、前年比296.8%増。阿里健康の中で最大の成長率となっています。

 圧倒的なEC販売と比べて、若干見劣りするオンライン医療ですが、阿里健康と契約している医師、薬剤師、栄養士は24,000人。主治、副主任、主任クラスの医師だけでも15,000人に及ぶなど、専門家チームの規模では平安好医生を大きく上回っています。

 18年11月からは、支付宝(アリペイ)で医療健康サービスチャンネルの運営を開始。また阿里雲(アリクラウド)、淘宝、釘釘(ディントーク)など強力なグループ力と資金をバックに、アリババがいかにオンライン医療業界をも牛耳っていこうとしているのか…。その詳細について、会報誌5月号で解説しています。

バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/

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◆「抖音」の作成から活用、広告まで徹底解説 (1)
 ~毎日4億人が閲覧する巨大メディア

 2018年から中国を席巻しているショート動画(短視頻)ブーム。なかでも日本では「TikTok(ティックトック)」で知られる「抖音(ドウイン)」は、圧倒的な人気を誇るアプリだ。これまで大量の流行語や流行音楽、多くの「網紅」(ワンホン ※ネットで人気の)商品を生み出してきた。2020年1月の最新データによれば、デイリーアクティブユーザーはすでに4億人とのことで、利用者は今も増え続けている......

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◆中国物流の新潮流「市内即時配送」 (5)
 ~市内即時配送の発展を後押し 若い“ナマケモノ”消費者

 中国での市内即時配送の発達には、消費者の消費習慣の変化が深く係わっている。Eコマース、ネット出前、ネットスーパーなどが普及する中、スマホを介してネットとリアルが融合した「新小売」という新しい消費形態が“当たり前”となった。特に新しいサービスやテクノロジーに興味津々の若い消費者の間では、こうした新しいライフスタイルが定着し、依存すらする人も増えた......

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◆中国物流の新潮流「市内即時配送」 (4)
 ~【閃送】配送スタッフ70万人超 高給でインセンティブ

 人気の高まりに伴い、閃送の配送スタッフの数も増え続けている。現在、その数は全国で70万人を超えている。閃送を利用したことのある消費者の配送スタッフに対する評価はおおむね良好だ。配送はスピーディで、接客態度も良く、身なりにも清潔感がある。届けた品に問題がないか確認もしてくれる......

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◆中国物流の新潮流「市内即時配送」 (3)
 ~【閃送】1対1の個別配送のみ 「お急ぎ」ニーズに対応

 閃送の最大の強みは、「1対1(ピアツーピア)」で急ぎのニーズに対応してくれる点だろう。一般的な配送会社の中継や仕分けといった作業を完全になくし、物品の受取から配達までの全行程を1人の配送スタッフが担当する。スタッフは物品を受け取ると、そのまま配達先に直行。また配達が完了するまで、他の配達には関与しない......

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■新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆ミドルシニア層のモバイルユーザー規模及び使用時間(2019年7月)

 Mob Techの統計によると、45歳以上のスマホユーザーの数はすでに1億人近くに達しているという......

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統計データ一覧はこちら >> 
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2020年6月号(vol.75)発行

 会報誌2020年6月号(vol.75)では、巻頭特集で新しいビジネスモデルとして注目されている「S2b2c」について調査・研究しました。

 企業や消費者との取引関係を示すB2BやB2Cは誰もがご存知でしょう。近年ではネットやIT技術の進歩とともに、C2BやC2C、さらにはC2F(Consumer to Factory)、C2M(Consumer to Manufactory)といった新しい概念が続々と登場しています。

 そうした中、スマートフォン(スマホ)の普及とともに、これまでの生産者から流通、小売、消費者へと連なるサプライチェーン構造をガラッと変えるほどの変革(イノベーション)が起こりつつあります。その重要な担い手となっているのが、中国で「網紅(ワンホン ※ネットで人気の意)」と呼ばれるKOL(キーオピニオンリーダー)やインフルエンサーなどの個人です。

 会報誌2020年3月号の特集でも、中国で成功するためには「いかに網紅になるか?」が至上命題だと伝えましたが、昨今の中国ではいかにこうした網紅の影響力や販売力を取り込むかが、ますます大事になってきています。

 最近では、網紅だけでなく、各個人の社交内のグループ仲間である「社群」やプライベートな範囲という意味合いの「私域」でのビジネスにも注目が集まっています。これらはチャット・SNSアプリの微信(ウィーチャット)がベースとなっているのですが、知り合い同士で商品を紹介・販売して、売れたらキックバックをもらうという、一見“ネットワークビジネス”的な発想も内包しています。

 こうした状況を背景に、中国で最近特に注目を集めているのが、「S2b2c」という新しいビジネスモデル。一見、いわゆる「B2C」に類似したモデルのようにも見えますが、なぜ小文字の「b」と「c」なのか?またこの「S」は何を意味しているのか?

 そこで今号では、そもそもこのS2b2cとは、一体どのようなビジネスモデルなのか?B2BやB2Cとの違いはどこにあるのか?といった疑問を解説。同時にS2b2cモデルの成功事例をいくつか紹介しながら、既存のビジネスモデルにどのようなインパクトを与えうるのかについて、その真相に迫りました。

 次にトレンドウォッチでフォーカスしたのが「Z世代」。アメリカや日本では、1990年代後半から2000年前半生まれの若者たちを「Z世代」と呼んでいます。

 Z世代が注目を集めるようになった背景は、彼らがちょうど成人を迎える年齢になったから。特にアメリカではZ世代が全人口の4分の1を占めるほどで、今後影響力が高まるこの購買層を、世界中のブランドやマーケターが注目しています。

 Z世代の最大の特徴は、デジタルが当たり前となった環境で生まれ育った生粋の「デジタルネイティブ」であること。高速インターネット、スマートフォン(スマホ)、ビデオ・オン・デマンド(VOD)などは当然ながら、10代の頃からSNS(ソーシャルメディア)にも触れ、スマホを使いこなす「ソーシャルネイティブ」ともいわれています。

 そのため、常に友人や知人とつながっている感覚が好きで、SNSなどで感動の瞬間を共有したいと思う人が多く、また地球上で起こっているいろんな情報が入ってくることから、社会問題に対する意識も高い傾向にあります。

 また他の世代に比べてより「自分らしさ」を追求する傾向も強く、様々な価値観から自分に合ったものを選び、自分だけの独特の個性を重視。そのため消費も社会的に認められたブランドよりも、自分が気に入った「ユニーク」さを求めながら、互いの個性を尊重し、様々な価値観を受け入れようという寛容さも持ち合わせています。

 デジタルネイティブでありながら、娯楽や経験などデジタル化されていない「コト(体験)」消費に価値を見出してお金を使い、人とのつながりやコミュニティを重視する傾向も見られます。日本では新卒で入社する企業選びのポイントで「安定」や「社会貢献」を求める声が高いのもZ世代の特徴とされています。

 ではこのZ世代、中国ではどのように見られているのでしょうか?中国では1995年から2005年に生まれた世代を「Z世代」と呼んでいます。彼らも当然インターネットに生まれた時から慣れ親しんでおり、個性を愛し、属性を明らかにすることを好むのは、世界共通のようです。

 中国国家統計局のデータによると、2019年に中国のZ世代人口は2.26億人で、全人口の16%を占めているようです。そこで今号では、近い将来に中国消費の新勢力として存在感を増すZ世代について、彼らの価値観やライフスタイル、消費マインドや行動、さらには彼らをターゲットにした商品やサービスなどの戦略は何を重視すべきかなどについて、調査・分析しています。

 業界分析では、新型コロナの影響で市場が急拡大している中国の「直播(ライブ放送)」業界をピックアップしました。

  携帯通信インフラの拡充とスマートフォン(スマホ)の普及により、スマホで気軽に撮影して動画を配信する新しい娯楽メディアが誕生。特に2015年ごろには、若くてキレイな女性がスマホ画面の前でダンスや歌、トークを披露して、視聴者から「紅包(投げ銭)」をもらうというビジネスモデルが登場しました。

 こうした動画は、「短視頻(ショートビデオ)」と称される数十秒から数分の短い動画と、「直播(ライブ放送)」と称されるライブ中継動画とに区分されますが、2019年は特に後者の直播に大きな注目が集まりました。

 直播は「ジーボー」と読み、日本でいうユーチューブのライブ配信やニコニコ生放送での生配信を指します。欧米などでは「ライブストーリーミング」と称され、ゲームやエンタメ性のあるコンテンツの配信が主流となっています。

 中国でも元々は単にライブでゲーム実況などの動画を配信するだけだったのですが、ここにEコマースの機能を合体。あたかもスマホ版のテレビショッピングがごとく、「ライブ動画+EC」である「ライブコマース」の人気が一気に爆発したことは、会報誌2020年4月号でも深く調査・レポートしました。

 新型コロナで自宅待機を余儀なくされた多くの人たちが、外出や外食の欲求を満たすために向かった先がスマホ。普段のネット通販だけでなく、日々の生鮮品の購入からオンライン授業や医療、テレワーク、ホームトレーニング、さらには飲み会やディスコ、旅行までもがスマホを介して行わざるをえなくなりました。

 こうしたニーズの急増を背景に、ネット大手各社もライブ動画配信事業を積極化。ライブ配信者の数だけでなくユーザー数も大きく伸び続けています。新型コロナによる「ニューノーマル(新しい日常)」が叫ばれる中、ライブ動画配信(直播)市場はますます拡大していきそうです。

 もはや中国でのマーケティング戦略で欠かすことのできない存在となった直播。今号では、ライブコマースだけでなく教育やエンタメ分野での状況も含めて、調査・分析しています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2020年6月号(vol.75)  もくじ
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【巻頭特集】“網紅”活用「S2b2c」モデル研究レポート
KOL・インフルエンサーに“権限”を託す
スマホSNS時代の新しい「S2b2c」モデルとは?
 〜スマホSNSの普及で変わるビジネスモデル。「網紅(ワンホン)」と呼ばれるKOLやインフルエンサーの影響力が強まる中国で、最近特に注目を集める「S2b2c」モデルとは??? 

【トレンドウォッチ】中国「Z世代」研究レポート
個性、つながり、“種草”を重視
ソーシャルネイティブ「Z世代」を徹底研究
 〜中国でも消費の主力層として存在感を示しはじめた「Z世代」。近未来の中国マーケティング攻略に欠かせない1995年以降生まれの若者の消費観から嗜好、ライフスタイル、価値観に迫る!!!

【業界分析】中国「直播(ライブ配信)」市場調査分析レポート
ライブコマース人気爆発で大盛況!!
教育・娯楽分野にも広がる中国「直播」ビジネス
 〜ライブコマースの活況で再注目された「直播(ライブ配信)」ビジネス。新型コロナの影響で、オフラインが当たり前だった教育や娯楽分野にも拡大する直播市場の現況を深掘り!!!

【マーケティングレポート】セルフィの鮮度②
フィットネスにコスメ 若年層で需要拡大
 〜自分をより良く見せたい──強まる願望から近年、フィットネスやコスメが中国で需要を急拡大させている。なぜ今、この願望が強まってきたのか・・・

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