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【中国消費洞察メルマガ 第450号】~中国版D2Cの「私域」はソーシャル活用の「SCRM」??~

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2020年12月16日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第450号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 約9ヶ月の不在を経て、上海での生活も早2ヶ月が過ぎました。それほど大きな変化はありませんが、最近浦東の自宅近くであるお店に目を奪われました。それは「美宜家」で、中国最大手のコンビニチェーン店です。

 中国のコンビニは、ガソリンスタンド併設の「易捷」と「昆侖好客」が店舗数は多いのですが、店舗型という意味では美宜家がナンバーワン。1997年設立で、2020年7月時点で広東省を中心に2万店。当初は工場が密集する東莞で、“パパママ”店に毛が生えたような店構えでしたが、最近は日系コンビニも負けず劣らずの現代的な内装と品揃えです。(上海には2018年に進出。)

 美宜家も中国版D2Cである「私域」運営を重視しています。クーポン、決済、会員の3つのバーコードを1つにまとめ、「決済すれば即会員」というシステムを導入。顧客がクーポンを使うだけで会員とみなす、誘導→囲い込み→コンバージョンを実現しています。

 美宜佳の微信ミニアプリ用クーポンの消化率は32%。アクティブ会員数も全体の5割で、店舗を訪れる消費者のうち、会員が非会員の2倍に達しているとのこと。コンビニも今や微信を使った「私域」運営が必要な時代となっているようですね。

 今週のコラムも前号に続き、中国版D2Cの「私域」(プライベート・ネットワーク網)についてです。では、中国消費洞察メルマガ第450号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第450回)
   ◆CRMの進化型「SCRM」とは??
    ~中国版D2Cの「私域」はソーシャル活用の「SCRM」??~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2020年11月号(vol.79)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第450回)
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【第450回】 CRMの進化型「SCRM」とは??
 ~中国版D2Cの「私域」はソーシャル活用の「SCRM」??~

 消費者に直接商品を販売するD2C。日本やアメリカでは、特徴ある商品やコンセプトでD2Cを専門とするブランドがクローズアップされますが、中国ではブランドではなく、あくまでも「売り方」のほうに重きが置かれているようです。

 D2Cの中国版である「私域」。いかに“私的(プライベート)”な、つまり我が社の情報ネットワーク網を築くかが命題となります。微信(ウィーチャット)で “つながり”、絶えず情報発信やクーポン配布、イベント、ライブ動画などで交流を活性化させ、最終的に販売へとコンバージョンさせるかを目指します。

 これっていわゆる「CRM(Customer Relationship Management)」システムではないかと気づく方も多いでしょう。顧客の電話番号や住所、Eメールアドレスなどの連絡先に加えて、購入履歴などのデータベースである従来のCRMと比べて、どこが斬新的なのかと。

 中国でも他の国々同様に、各社でCRMの運用はされています。ただ微信とEC(電子商取引)の普及で中国独自のCRM展開が広がっていきました。日本でECショップを運営する場合、新規客の獲得も大事ですが、既存客にいかにリピート購入してもらうかを重視するケースも多いでしょう。そのために、顧客データを徹底的に分析・管理するのは言わずもがなとなります。

 一方、中国ではEC市場の大部分を占めている淘宝や天猫、京東などでは、既存客のデータ運用という面ではそれほどの自由度はありません。常に広告やキャンペーンなどで新規・既存客の関心を引きつける必要があり、多額の予算が要求されます。

 そこで目を付けたのがSNSの活用です。微信の公式アカウント(公衆号)や個人アカウント、モーメンツ(朋友圏)のほか、ミニブログの微博(ウェイボ)、動画投稿の抖音(ドウイン・TikTok)や快手(クアイショウ)などSNSを通して顧客との接点を強化。こうしたSNSを活用した「SCRM(Social Customer Relationship Management)」が、いわゆる「私域」の真骨頂なのではないかと考えます。

 かつて、500件のセールス電話をかけても、良い反応のある顧客はほんの一握り。それが微信のアカウントやモーメンツであれば、多数の顧客に一瞬でアプローチできます。電話やショートメッセージがメインの従来型CRMから「私域」のSCRMに移行した後、顧客数は1.5~2倍増、コミュニケーション効率も3~4倍増、1回の平均交流時間も2~3倍増と軒並み上昇したというレポートもあります。

 中国のいまの実状を踏まえ、微信をいかに活用して「私域」のSCRMを実用化させるか。すべての企業が取り組まなければならない課題となりつつあります。

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■新着コンテンツ一覧
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◆“雲”の上で働く、中国「テレワーク」最新事情(4)
 ~テレワーク市場でも火花 アリババとテンセント

 テレワーク市場の構造は大きく3つに分類できる。第1類はアリババ、テンセントなどのインターネット企業大手。第2類はデバイス大手のシスコ、華為(ファーウェイ)など。そして第3類がZoom、Vidyo、小魚易連などのテレワーク専業ベンダーだ......

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◆“雲”の上で働く、中国「テレワーク」最新事情(3)
 ~新型コロナが急成長を後押し 利用者3億人で習慣化加速

 中国調査会社の億欧智庫の統計によると、2020年2月3日~16日の2週間に、中国全土の企業1,800万社以上、3億人がテレワークを利用したもよう。新型コロナ危機がテレワークを習慣付けたと言っても過言ではない。またこの成長傾向は当面続くと同社は見込んでいる......

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◆“雲”の上で働く、中国「テレワーク」最新事情(2)
 ~新しい機能が続々と登場 背景除去や美顔フィルタも

 急増するニーズに応えるべく、テレワークシステム大手各社は相次いでバージョンアップや機能の追加を実施。クラウドドキュメント、プロジェクト管理、会議中のスクリーンシェアなど機能面での向上のほか、様々なきめの細かいサービスも追加された......

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◆“雲”の上で働く、中国「テレワーク」最新事情(1)
 ~新型コロナ感染拡大で一気に普及

 春節(旧正月)休暇以降、中国で多くの企業が「テレワーク」を導入。テレワークとは、インターネットや通信技術を活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことで、「tele = 離れた所」と「work = 働く」の造語。職場復帰とウイルス回避の2つを同時に実現するこのシステムは、企業の運営再開の“救世主”となった......

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■新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆配車アプリのユーザー規模及び利用者の割合(2020年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第46回インターネット発展報告によると、2020年6月時点における中国の配車アプリユーザー数は3.40億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_3557.pdf

◆ライブ配信サービスのユーザー規模及び利用者の割合(2020年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第46回インターネット発展報告によると、2020年6月時点における中国のライブ配信サービスのユーザー数は5.62億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_3556.pdf

◆ネット動画のユーザー規模及び利用者の割合(2020年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第46回インターネット発展報告によると、2020年6月時点における中国のネット動画ユーザー数は8.88億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_3547.pdf

統計データ一覧はこちら >> 
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=NewAll&Class2=29

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2020年11月号(vol.79)発行

 会報誌2020年11月号(vol. 79)では、巻頭特集で中国EC(電子商取引)の“風雲児”として頭角を現す「拼多多(ピンドウドウ)」を取り上げました。中国のEC市場はこれまで淘宝(タオバオ)と天猫(Tモール)を擁するアリババと京東(JDドットコム)が圧倒的な2強でした。今、これを猛追しているのが2015年9月に運営を開始した拼多多です。

 近年流行りのSNS(交流サイト)を活用した独自の共同購入モデルをベースに、“超”がつくほどの低価格をウリに、「下沈」と呼ばれる地方都市や農村部の市場を主戦場として急成長している拼多多。

 拼多多の最大の特色は、やはり破格な安値の商品群でしょう。9.9元の冷蔵庫、19.9元のスーツケース、29元の電気炊飯器、599元の液晶テレビなど、値段だけでなく送料もすでに含まれているというから驚きです。この超低価格は、地方在住の価格に敏感な消費者たちから支持を集めると同時に、ローエンド、低品質、模倣品ばかりといったレッテルを貼られることも多々ありました。

 取引額は2017年の1,410億元から、2018年には4,716億元に成長し、設立からわずか3年でアメリカのナスダックで上場。2019年には1兆元を突破し、5.73兆元のアリババ、2.085兆元の京東に次ぐ第三のECプラットフォームに躍進。市場シェアも2.0%から9.5%に上昇しています。2019年末時点の拼多多の年間アクティブ購入者数は5.852億人。すでに設立から12年を経ている京東の3.62億人を超え、アリババの7.11億人に迫ろうとしています。

 中国国家郵政局の統計によると、現在中国全土で1日に発送される小包の平均件数は2億件あまり。そのうち拼多多の発送件数は7,000万件で、全国の約三分の一を占めているとのこと。2020年の国慶節休暇期間(10月1日から8日)には、1日の発送件数が1億件を突破しました。

 こうした業績は、設立からわずか5年の企業にとって、ほぼ奇跡とも言えます。そこで今号では、拼多多がいかに短期間でこれほどの急成長が実現できたのか。その背景と要因、マーケティング戦略、地方・農村から大都市への進出、正規ブランド品の取扱と偽物対策、そして膨大なユーザー数及びビッグデータをベースにした農産物やOEM工場のC2M(Consumer to Manufacturer)とブランド化戦略など、詳細に調査分析しています。

 次にトレンドウォッチとして、アフターコロナの中国消費を分析しています。未だに衰える気配を見せない新型コロナウイルスの猛威。世界各国で多大な影響を及ぼし続けている中、中国では経済と消費の回復ぶりが顕著になっています。

 中国国家統計局によると、中国経済は今年第1四半期のGDP(国内総生産)こそ前年同期比6.8%減でしたが、第2四半期には急回復。前年同期比3.2%増で、第3四半期には4.9%増にまで回復しています。年初から第3四半期までの経済成長率もマイナスからプラスに転じ、前年同期比で0.7%増となるなど、主要経済指標の回復傾向が目立ちます。

 中国経済成長の牽引役とも言える消費も、その勢いを急速に回復しています。中国政府が打ち出す数々の消費喚起策も功を奏してか、2020年8月には、中国の社会消費品小売総額(小売全体)が3兆3,571億元に達し、前年同期比0.5%増と、今年に入って初めてプラスに。9月も同様に3兆5,295億元で、前年同期比3.3%増となりました。

 国内の出張移動も徐々に増加。中国民航(中国民用航空局)によると、国内旅客数は昨年の水準をほぼ回復しているようです。10月も消費は拡大傾向を保ち、社会消費品小売総額は前年同期比4.3%増の3兆8,567億元。外食関連も4,372億元で0.8%増と、今年初めて増加に転じました。

 世界のコロナ及び経済情勢を尻目に、いち早く元の状態に戻りつつある中国ですが、特に消費分野で注目に値するのが、高級ブランド品とEコマースです。

 世界の高級ブランド品市場が惨憺たる状況の中、中国ではコロナの影響で海外旅行や旅先での“爆買い”ができなくなった消費者が、その矛先を国内にシフト。その結果、国内の高級ブランド品市場が活況を呈しています。

 またコロナを経て、オンライン消費の習慣がさらに浸透。2020年1月から10月に、中国のネット小売額は前年比10.9%増を記録。コロナの流行が沈静して初の大型ネットセールイベントとなった6月18日の「618」セールでは、天猫が6,982億元という驚異的な売上を記録。京東も2,692億元で前年比33.6%増でした。

 双11(ダブルイレブン)セールは、史上最大規模という謳い文句で大々的に開催。今年はネット通販のプラットフォーム各社がプロモーション期間を延長し、ネット全体で8,403億元という驚異的な記録を打ち立てました。天猫が4,982億元、京東が2,715億元で、それぞれ19年の2,684億元と2,044億元と比べて、83%増と33%増でした。

 中国政府が提唱する経済成長の「双循環」政策。「双循環」とは「国内循環」と「国際循環」の2つを指しますが、特に国内経済の「大循環(内循環)」を主体とした新発展モデルです。巨大な国内市場のさらなる開拓を目指し、内需拡大を今後ますます推し進めていくことは明白です。

 その担い手としても注目すべき高級ブランド消費とEコマース。今年の双11セールでの取引額増と高級ブランド品消費の急回復は、中国の富裕層と4億人の中間層が、すでにコロナの影響をほぼ克服し、新たな消費の準備ができたことを示した言っても過言ではありません。

 そこで今号では、この2つの視点から、中国消費の回復ぶりとともに、今後の消費トレンドを見越しながら、日本企業がどう立ち向かうべきかについてレポートしています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2020年11月号(vol. 79)  もくじ
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【巻頭特集】中国共同購入サイト「拼多多」調査分析レポート
中国EC新潮流の風雲児登場で“三国時代”に!!
アリババ・京東の牙城に挑む「拼多多(ピンドウドウ)」徹底研究

【トレンドウォッチ】アフターコロナの中国消費分析レポート
高級ブランドとECが消費の急回復を牽引
アフターコロナの中国消費が“世界を救う”!?

【マーケティングレポート】「雲」の上の生活へ③
出前に従業員シェア 外食産業の窮地打開策

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