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【中国消費洞察メルマガ 第543号】~中国の新しい「興趣消費」トレンドとは?~

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2022年11月2日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第543号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 今年もまたこの季節がやって来ました。年間最大のネットセール「双11」(ダブルイレブン)。2009年から始まり今年で14回目を迎えますが、近年はどこか盛り上がりに欠けていると感じるのは私だけでしょうか。

 その一番の理由はやはりセール開始が前倒しになったからでしょう。今年も10月31日夜から11月3日までがプレセールとなり、すでに商戦が始まっています。今年は総額300元で50元、200元で30元の割引。このキャンペーンに参加している店舗に限りますが、元々買おうと思っていたコーヒーミル、ウイスキー、枝バサミ、炭酸水などいずれも対象となっていました。

 実は後でわかったのですが、ウイスキーは盒馬(フーマー)で毎週火曜のメンバーセール日で購入したほうが割安でした。テッシュなどの日用品も、意外とフーマーや天猫超市(スーパー)で普段購入してもあまり値段が変わらないとか…。

 以前は11月11日に向けてワクワクしながら何を買うか吟味したものです。年々欲しいモノが減っていくなか、300元の倍数にするため、結局炭酸水4ダースという戦績で今年のダブルイレブンは終了しました。

 今週のコラムは、会報誌10月号で特集した「興趣消費」トレンドについてです。では、中国消費洞察メルマガ第543号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第543回)
   ◆商品から得られる幸福・満足感が大事に
    ~中国の新しい「興趣消費」トレンドとは?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年10月号(vol. 98)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第543回)
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【第543回】 商品から得られる幸福・満足感が大事に
 ~中国の新しい「興趣消費」トレンドとは?~

 会報誌10月号で、中国の新しい消費トレンド「興趣消費」を特集しました。興趣とは興味や趣味、関心などを意味する言葉。中国人の消費行動や意思決定が、ますます各人の興味や趣味に依拠するようになっているようです。

 私が初めてこの「興趣」を目にしたのは中国版TikTokの抖音(ドウイン)です。中国で「興趣電商」と称される抖音のEC。画面を上下にスワイプしながら閲覧する動画から、気に入ったモノをついつい衝動買いしてしまう点が注目されています。

 抖音は各ユーザーの閲覧履歴や視聴時間などから、アルゴリズムが各人の興味や関心事を判断し、関連する動画をこれでもかとオススメしてくれます。それらはいずれも自分の興味や趣味に関係するものばかりなので、見ていても楽しいし、また紹介される商品にも自ずと関心が高まります。

 淘宝(タオバオ)や京東(JDドットコム)など従来型のECでは、基本買いたいモノが決まっていて、まずは検索してから商品情報や値段を確認するのが通常です。つまり能動的にショッピングを楽しむともいえますが、抖音のECはまさに真逆。勝手に動画で紹介され、気づいたら購入ボタンを押していた…のように、消費行動がますます受け身になっています。

 こうなってくると、企業のほうも戦略を変えていかなくてはなりません。以前のようにどうプロモーションを打って、どのKOLに情報拡散をお願いするかといった方法論だけでは不十分でしょう。興趣消費がはびこる中国で、特に若者がどのようなことに関心を抱き、どう情報収集し、どう仲間と集い、そして最終的にどう購入に走っているのかを把握する必要があります。

 興趣消費の名付け親となった中国雑貨チェーン店大手、名創優品(MINISO・メイソウ)のCEO(最高経営責任者)葉国富氏は「価格や機能など物質的な価値よりも、商品によってもたらされる幸福感や満足感が重要となりつつある」と語っています。良いモノを作れば売れるという発想だけでは、中国人の心には刺さらない時代へと突入しているのです。

 モノからコト(体験)、そして精神、興趣へと変遷する中国消費トレンド。コロナで海外どころか国内でも、リアルの場面で新しい商品や発見に遭遇する機会がますます減るなか、抖音をベースに自分の興味・関心のみのワールドへと内向き志向を強める中国消費者。こうした事業環境で、日本企業としてどう対処すべきか…との思いで調査分析しています。

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◆2022年中国消費動向調査分析レポート(5)
 ~中国消費動向を「価値観」から洞察④ 「心域」の開拓

 ネット上の競争がレッドオーシャン化する今の時代、企業にとって消費者の注意を惹くことが大きな課題となっている。中国で「私域」と呼ばれるD2C(Direct to Consumer)の運営に重心を置く企業も増加しつつある。一方で、私域はユーザー(フォロワー)との接点(コンタクト)を容易にするが、消費者の心を動かせるか否かは、商品の品質や消費者との関係性にかかっているともいえる。では企業(ブランド)はいかにして、消費者からの信用を勝ち取ることができるのだろうか?......

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◆2022年中国消費動向調査分析レポート(4)
 ~中国消費動向を「価値観」から洞察③ 安心感と確実性の追求

 2021年、新型コロナウイルスの流行がなかなか収束しない環境下において、中国消費者は新しい「不確実性」に適応する努力を続けている。消費に関しては、これまで以上に安心感が重視され、状況をコントロールできることが望まれている。商品についても、コストパフォーマンスよりも各方面の情報が入手可能であることが重要視されるようになり、SNS上で商品テストやクチコミ評価を見てから、自分のニーズに最も合った商品を選ぶ人が増えている......

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◆2022年中国消費動向調査分析レポート(3)
 ~中国消費動向を「価値観」から洞察② 五感型体験

 生活リズムがますます速くなり、社会や仕事、家族などからの圧力に喘ぐ人が増えている。中国調査会社の知萌諮詢のアンケート調査で、何らかのストレスを感じていると回答した人が86.7%に、またストレスが非常に大きいと答えた人も49.4%に達した。ストレスの原因は人それぞれだが、経済、感情、仕事、学習、人間関係などの原因が多い傾向が見られる......

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◆2022年中国消費動向調査分析レポート(2)
 ~中国消費動向を「価値観」から洞察① 内面の追求

 新型コロナウイルスの流行を経て、中国の消費者は仕事で多忙な毎日を見直し、ゆったりとした生活を望むようになっている。中国調査会社の知萌諮詢のアンケート調査で、消費者が最近重視している項目のうち、「より健康な身体」、「家族や友人と過ごすより多くの時間」、さらに「住居の掃除・整理・断捨離」がトップ3を占め、それぞれ17.7%、17.3%、16.9%だった。消費者は自身の内面の充実をより重視するようになっている......

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◆2022年中国消費動向調査分析レポート(1)
 ~「各量生産・販売」の時代に! “内向き”強める2022年中国消費動向洞察

 2021年、中国は新型コロナウイルス流行の影響からほぼ脱した。経済は回復傾向となり、消費も増加した。同年1~9月期のGDPは前期比9.8%増と成長。中国人1人当たりの平均可処分所得も9.7%増で、消費支出は前年比15.1%増だった。消費者は今後2~3年の消費にも前向きな姿勢を示している。独戦略コンサルティング企業のローランド・ベルガーが、京東(JDドットコム)と共同で2021年12月に実施した消費者調査によると、ヒアリング回答者の34.3%が今後2~3年の消費支出が収入全体の50%以上になると予想している......

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(19)
 ~下沈市場にもプレミアムコーヒーが大きな潜在性あり

 コーヒーはすでに、中国消費者の日常生活に定着しつつある。特に若年層の消費力が高まるなか、彼らは値段よりもむしろコーヒーの品質や味にこだわるようになっている。プレミアムコーヒーは、コーヒー市場において最も発展性を秘めたジャンルといえる。現在、市場で成功を納めているプレミアムコーヒーブランドを分析してみると、成功の鍵は、その独自のポジショニングにあるといっても過言ではない。 マナーコーヒー(Manner Coffee)に代表される低価格かつハイクオリティなコーヒーは、言ってみれば「小而美」(※Small and beautifulの意)路線の成功例だ......

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(18)
 ~マナーコーヒー⑥ コラボレーションも積極的 BEASTとのコラボが大成功

 異業種とのコラボも、マナーコーヒーが得意とするプロモーション方式だ。2021年だけでも光明乳業、上海美琪大戯院(劇場)、生活雑貨のBEAST(野獣派)、ペットブランドのVETRESKA(未卡)、新エネルギー車のNIO(蔚来)、エコシューズのオールバーズ(ALLbirds)、下着ブランドのNEIWAI(内外)などと数多くのコラボを実施した。なかでも大きな成功を納めたのは、BEASTとのコラボによるパンダラテだ。微信(ウィーチャット)のモーメンツや小紅書(RED)で、大きな話題を呼んだ...... 

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(17)
 ~マナーコーヒー⑤ 環境保護もコンセプトに 微信のシェア機能を活用

 新規店舗での主なプロモーション戦略は、オープン3日前からのコーヒー無料配布だ。このプロモーションを通して、店舗周辺にコーヒーの消費者がどのくらいの規模かを推測。微信(ウィーチャット)の公式アカウントや社群(ネットコミュニティ)に登録してもらうことで、私域トラフィック網の構築にも着手している。さらに、平日にマイカップ持参で来店した人には、5元のディスカウントを実施。環境保護も意識している......

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(16)
 ~マナーコーヒー④ ハイエンド旗艦店をオープン 全国展開に着手

 マナーコーヒーは当初、出店に慎重な姿勢を保ち、既存店が利益を出してから、次の店舗の準備に取り掛かっていた。創業から3年が経っても、上海には8店舗しかなかった。その後、2018年末に外部から資金を調達した後、出店ペースを加速。蘇州や成都、北京、深圳などの一線・新一線都市への進出を開始する。店舗面積も各店20~30平方メートルに拡げた。出店ペースを加速したのは、2020年後半から2021年前半にかけてだ......

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(15)
 ~マナーコーヒー③ 上海を中心に店舗展開 立地はスタバが基準に

 マナーコーヒーの売上は、非公表ながら、2020年に2~3億元で、純利益率は10%超ですでに黒字化していると報道されている。なかでも上海地区では全店が黒字を計上。これは品質管理やコストコントロールだけでなく、店舗の立地戦略が功を奏したといえる。その立地戦略とは、上海市を中心に店舗展開したことだ。2021年10月時点で、全国に212店ある店舗のうち、178店が上海市内に位置している......

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(14)
 ~マナーコーヒー② 焙煎やバリスタ育成で コーヒーのクオリティ向上

 コストの抑制は、商品の価格のみならず、コーヒーの品質向上にも貢献した。賃料を最低限に押さえ、資金は極力コーヒー豆や焙煎機、コーヒーメーカーやスタッフのスキル向上に投資した。これらはコーヒーの質をキープし、より多くの顧客にアピールするための大きなカギとなった。 マナーコーヒー創始者の韓玉龍は、上海の高級焙煎珈琲ブランド「Café Del Volcán」で1年間、焙煎士としての経験を積み、ハイレベルなコーヒーの焙煎方法を習得した...... 

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◆中国カフェ市場調査分析レポート(13)
 ~マナーコーヒー① プレミアムコーヒーを低価格で提供して人気に

 急成長を遂げるコーヒー市場のなかでも、今年最も注目を集めたのがマナーコーヒー(Manner Coffee)だ。ネットで人気の網紅(ワンホン)カフェとして知られるマナーコーヒーは、今年6ヶ月間で4回もの資本調達に成功した。5月と6月にはそれぞれ、フードデリバリー大手の美団(メイトゥアン)とTikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)から数億米ドルの資金を調達した。現在、上海、北京、深圳など7都市で200店以上を展開。2021年末には店舗網が400~500店になると見込まれている......

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■新着統計データ一覧
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◆中国ネットユーザーのネット利用時間(2022年6月時点)
◆中国ネットユーザーのネット設備使用状況(2022年6月時点)
◆中国のネットユーザー規模(2022年6月時点)
◆2021年企業が私域を活用する理由
◆2021年企業の私域マーケティングチャネル
◆急成長する微信ミニアプリ(アプリ数推移、DAU、GMV)
◆抖音と快手のEコマースGMV
◆中国のショート動画ユーザー数(2018年6月~2021年6月)

統計データ一覧はこちら >> 
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2022年10月号(vol. 98)発行

 会報誌2022年10月号(vol. 98)の巻頭特集では、新たな消費トレンドとして浮上する「興趣消費」(以下、興味消費)について深堀りしました。

 中国では生まれた時から経済的に恵まれ、インターネットに慣れ親しんで育った「90後」(1990年代生まれ)や「00後」(2000年代生まれ)と呼ばれる若者が、消費の主力層に成長しつつあります。

 消費の際に、彼らは単なる実用性だけでなく、ユニークさや交友関係など社交的な価値、さらには中国で「悦己」と称される自分を喜ばせるための消費など、精神面の充足感も重視する傾向が強いようです。そんな彼らの台頭により、中国の消費市場も大きな変化を迎えています。

 中国で「興趣消費」と称される新しい消費トレンド。中国語で「興趣」とは、興味、趣味、関心、面白味などを意味します。興趣消費というネーミングは、中国の雑貨チェーン店大手で「MINISO」や「メイソウ」で展開する名創優品のCEO(最高経営責任者)葉国富氏が2020年に初めて言及した新しい概念です。

 葉氏は「商品の価格や機能のみを重視する時代は過去のものとなり、新世代の消費者は体験をより重視するようになっている。フィーリングやシーンなどに端を発し、精神的な経験や価値観の一致を重視する消費においては、物質的な消費よりも商品によってもたらされる幸福感や満足感が重要となる」と述べています。

 つまり興味消費においては、企業(ブランド)側が、若年消費者層の消費行動や心理を読み解くことが不可欠になっているといえるでしょう。若者にとって、消費の核心は自身のための悦びであり、幸福感を高めることにあります。

 精神面の充足を求めるトレンドは日々顕著になり、自身を満たし、社交の輪に加わることは、若年消費者層の興味消費の最大の目的となっています。若者が求める精神面の充足は、昨今、中国の消費市場に大きな影響を与えつつあります。

 そこで今号では興味消費について改めて定義するとともに、このトレンドの社会的背景や消費の特徴を分析。また興味消費を代表するブランドで前述の名創優品(MINISO)のほか、スポーツアパレル大手の李寧(リーニン)や安踏(ANTA)、さらには興味消費を引率するショート動画の抖音(ドウイン・TikTok)についても調査レポートしています。

 次に業界研究として、コロナ下でも堅調に成長する中国コンビニ市場を取り上げました。

 中国のリアルの消費現場において、成長を維持している数少ない業態の1つが「便利店」。つまりコンビニエンスストア(以下、コンビニ)ですが、新型コロナの流行期から現在に至るまで、市場規模や店舗の人口密度など各指標が上昇しており、一線都市のみならず二線、三線都市にも、コンビニチェーン店の進出が相次いでいます。

 コンビニ各社は新型コロナの流行期にも、その成熟したサプライチェーンを活用し、生活物資の輸送に奮闘しました。政府も各種支援政策を通して、コンビニのブランド化、チェーン化、スマート化を奨励。コンビニ業界の発展は消費全体の促進にも大きな効果を及ぼしています。

 中国のコンビニ市場はアメリカ、日本、英国に次ぐ第4位の規模となっていますが、コンビニ店舗数は世界1位。約25万3,000店で、これはアメリカの約1.7倍、日本の約4.5倍に当たります。

 一方、普及率は7,033人/店で、アメリカ(2,211人/店)、日本(2,218人/店)、韓国(1,059人/店)に遠く及びません。これはつまり中国のコンビニ市場はまだ飽和状態に達しておらず、今後も大きな発展の可能性を秘めているといえるでしょう。

 コンビニチェーンの店舗数ランキングでは、ガソリンスタンド併設型の「易捷」(Easy Joy)と「昆侖好客」(uSmile)が1位と3位。広東省・東莞発の「美宜佳」(MEIYIJIA)が2位で、いわゆるコンビニチェーンとしてはトップに立っています。

 日系も善戦しており、ローソン(中国語名:羅森)、ファミリーマート(中国語名:全家)、セブンイレブンはそれぞれ第6位、第8位、第9位にランクイン。店舗数はそれぞれ4,466店、2,902店、2,893店に達しています。

 そこで今号では、中国のコンビニ市場の現状について、チェーン企業間の競争や地方への進出状況、都市別の発展状況、さらにはデリバリーや共同購入の対応など今後のトレンドについても分析しました。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その3)では、2016年から17年にかけて一世を風靡したシェア自転車について。2016年春頃に、上海の街角で突如として現れたオレンジ色のマウンテンバイク風シェア自転車「摩拝単車」(モバイク)。その後、黄色のofo(オッフォ)も登場し、水色、黄緑、緑、白赤と様々なシェア自転車が街角を彩るようになりました。

 しかしシェア自転車の“この世の春”も長続きしませんでした。放置自転車が問題視され、政府による監督管理が強化。過当競争や資金繰りの悪化などから撤退や買収が相次ぐなか、シェアリングビジネスの難しさが露呈する結果に…。中国版MaaS(マース:Mobility as a Service)事情とともにお届けしています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年10月号(vol. 98)  もくじ
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【巻頭特集】中国最新「興趣」消費トレンド調査分析レポート
幸福や満足など精神的充足感を消費に求める若者
新たな消費トレンドとして浮上する「興味消費」

【業界研究】中国コンビニ業界分析レポート
デリカニーズ急増、激戦都市トップは厦門(アモイ)
コロナ下でも堅調に成長する中国コンビニ市場

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活③
中国でのMaaS(マース)事情は?
シェア自転車が一気に普及するも2年で終焉…

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