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【中国消費洞察メルマガ 第573号】人気継続の秘訣は意外なコラボでサプライズ?

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2023年6月7日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第573号】
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 こんにちは!キャストグローバルの大亀です。

 先週、世界的にも有名なミュージカル「オペラ座の怪人」を鑑賞しました。会場は1998年開業の上海大劇院(Shanghai Grand Theatre)。上海随一の繁華街・人民広場に位置し、オペラ、交響曲、バレエ、演劇など公演をメインとする一大カルチャースポットです。

 上海に住み始めてからもうすぐ20年。延安路の高架道路から何度も眺めていた上海大劇院は今回が初。まさにオペラやミュージカルのために作られたような劇場で、3階構造の2階席でしたが、ステージまでの距離も近く、音響も迫力満点でした。

 これまで映画版も含めると、「オペラ座の怪人」の鑑賞は4回目。シャンデリアが落下するオープニングシーンから一気にボルテージが上がります。今回は初の中国語版による公演で、怪人役も「声入人心(SUPER-VOCAL)」という人気オーディション番組で人気となった男性ボーカリストの阿雲嘎、劉令飛、何亮辰の3名が交代で演じることで話題となっています。

 平日の19時半からの公演でしたが、会場は満席。正直、中国語でほぼ何を言っているかわかりませんでしたが、歌のパートでは歌詞が電光掲示板に表示されたので、何とか理解できました。お馴染みのアンドルー・ロイド・ウェバー作曲の音楽に口ずさむ女性客もいて、ミュージカルファン層の奥深さにも驚きました。

 5月2日から始まった上海公演は、6月4日までの34日間で延べ40公演、6万5,000人近くの観客を動員したとのこと。今後、上海を皮切りに、年末にかけて、深セン、泉州、広州、厦門、南京、杭州、北京、長沙でも開演予定。その後も、成都、珠海、重慶が決まっており、今年は中国の“ミュージカル元年”になりそうです。

 今週のコラムは、中国で近年流行りのコラボマーケティングについてです。では、中国消費洞察メルマガ第573号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第573回)
   ◆中国で流行りのコラボマーケティングとは?
    ~人気継続の秘訣は意外なコラボでサプライズ?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2023年5月号(vol. 104)発行
     (詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第573回)
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【第573回】 中国で流行りのコラボマーケティングとは?
~人気継続の秘訣は意外なコラボでサプライズ?~

 会報誌「中国消費洞察」5月号では、中国で近年流行りのコラボマーケティングを特集しました。中国で「×」(ツァー)で表記され、「聯名」と呼ばれるコラボ(コラボレーション)。企業(ブランド)同士のコラボもあれば、「IP」(アイピー)と呼ばれるキャラクターなどとのコラボも目白押しとなっています。

 IPについて、もう少し詳しく解説しておきましょう。日本でIPといえば、Internet Protocol(インターネット・プロトコル)を指すのではないでしょうか。特にパソコン内でネット接続などを設定する際に、IPアドレスといった言葉をよく耳にすると思います。

 しかし中国でいうIPは、Intellectual Property(インテレクチュアル・プロパティ)、つまり知的財産のことを意味します。代表的なものとしては、ハローキティやドラえもんなどのキャラクターが真っ先に思い浮かぶと思いますが、中国ではもっと広い意味で適用されています。

 例えば、ゲームやアニメなどの二次元的なものから、アーティスト(芸術家)や芸術・文芸作品、さらには美術館や博物館、カルチャー施設、スポーツイベント、人気のテレビ番組など。ネット上の流行語もIPと化しますし、場合によっては、自らをIPと称してプロデュースすることも可能です。

 つまり著作権を主張できるようなものはすべてIPとなるのですが、それらをいかに自社のブランドイメージや商品(サービス)に結びつけるかが、中国のコラボマーケティングの肝となっています。

 では中国で、どうしてこうしたコラボが流行っているのか?その一番の目的は話題作りといえるでしょう。顧客との接点がSNSやショート動画などスマートフォン(スマホ)に集約されてしまっているなか、いかに話題となってバズらせるかが成功の鍵を握っています。

 また以前のテレビのように大衆メディアがなくなった今、中国で「圏層」と呼ばれる興味や趣味で繋がったグループ層にいかにピンポイントでアプローチするかが大事になっています。自社のフォロワー層には欠けている圏層を備えたブランドやIPとコラボすることで、フォロワー層を拡大・多様化するという狙いもあるでしょう。

 最近、上海で見かけて、ハッとしたコラボ。一つはカフェチェーンのマナーコーヒーと米電気自動車のテスラ。そしてもう一つは、茶系ドリンクチェーンの喜茶(HEYTEA)と伊高級ブランドのフェンディの2つ。全く業種が異なるブランド同士が、いかにコラボしようと思ったのか。どんな狙いがあったのかについて強く興味を引かれました。

 さらにはマナーコーヒーも喜茶も、ある意味スターバックス同様に、すでに市民のライフスタイルに溶け込み、あえて話題づくりをしなくても事業を継続できるのではと思います。そうしたメジャーブランドさえも、サプライズ的なコラボを通して絶えず話題づくりに励む。もしくは話題づくりに励むから、長らくメジャーブランドとして君臨できているのか…。

 このような疑問を感じながら、コラボマーケティングの事例とともに、日本企業の今後の中国事業にとってのインサイトになればとの思いでレポートしました。

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(13)
 ~出品料無料、自然トラフィックのみで運営 共に困難を乗り越える有志が支え合う

 東方甄選のビジネスモデルはコミッション式となっている。他社の商品を代理販売する際には「坑位費」(出品料)を徴収しない代わりに、比較的高めのコミッション率が設定されている。一方、PB商品については粗利率の高い買取式を採用している。このビジネスモデルは業界内ではあまり例のない独自のモデルといえる......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(12)
 ~618ネット商戦でフォロワー数急増 子持ち、高学歴、消費力のある女性層が中心

 フォロワー数、累計視聴回数、視聴滞在時間などのデータを多角的に観察すると、東方甄選は2022年6月に高い注目を集めて以降、トラフィックやリピート率で高成績をキープしていることがわかる。フォロワー数は2022年6月8日から22日、つまり618ネット商戦期間に急上昇した。現在も1日平均10万人前後のペースで増え続けている。メインアカウントのフォロワー数は現在2,600万人を超え、サブアカウントの美麗生活も100万人、図書は300万人に達している......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(11)
 ~抖音中心に各プラットフォームでライブを配信 公式アプリ運営に乗り出しフォロワー囲い込み

  東方甄選は当初、中国版TikTokの抖音(ドウイン)でのライブ配信に重点を置いていた。抖音のライブコマースは、中国で「興趣EC」と呼ばれる興味や趣味本位のEコマースが特徴といえる。興趣ECとは、独自のアルゴリズムによりターゲット視聴者に動画コンテンツを表示させ、彼らの興味や関心を引きつける。得意のインタラクション(交流)力も駆使しながら“衝動買い”を誘い、最終的にコンバージョン(販売転換)に繋げるというEコマースモデルだ......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(10)
 ~自社ブランド(PB)商品の比率アップ 原産地での視察+検査で品質を担保

 新東方の創始者である兪敏洪(ユー・ミンホン)は自身が農村出身ということもあり、農村支援に特に熱心だ。東方甄選もポジショニングが農産物のライブコマースプラットフォームとなっており、販売する商品は生鮮野菜やフルーツなどが中心だ。当初は提携モデルを採用し、ライブコマースの売上に応じたコミッションを稼いでいた。著名ブランド品を中心に扱うことで品質を担保していたが、自社のブランディングとGMV(流通取引総額)が一定水準に達したことから、2022年4月末に自社ブランド(PB)商品の販売をスタートした......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(9)
 ~塾講師がオリジナリティ溢れる動画を配信 ディスカウント重視の内容から一線を画す

 オンライン授業とライブコマースは根本的によく似通っている。講師たちの能力は顧客獲得、消費、リピート率などライブコマースの各段階においても活用可能だ。新東方在線の授業では、講師たちが自身の知識や言語能力を駆使しながら、興味深い内容で学生たちにアピールしてきた。単に知識を伝えるだけでなく、学生から共鳴を呼ぶことで、高い粘着率を実現していた......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(8)
 ~各教科の塾講師による知識型ライブコマース 人生観や価値観、金言なども盛り込む

 東方甄選は運営開始当初、新東方創始者の兪敏洪(ユー・ミンホン)の知名度に頼った展開だった。しかし業績は惨憺たるもので、1日の取引額はわずか数十万元程度。そんな状態が半年ほど続いた後、運営チームも徐々に経験を積むなか、ライバーのポジショニングも明確になっていった。東方甄選のライバーは基本的にすべて新東方の講師たちだ。それぞれの学識を披露しながら展開するライブコマースは、「3331」の法則を原則としている。3331とはすなわち、商品関連知識が3割、関連の専門知識が3割、人生観や価値観、将来観などが3割、そして金言が1割というバランスだ......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(7)
 ~中国大手オンライン教育プラットフォーム「新東方在線」 “授業”型ライブコマース「東方甄選」で起死回生図る

  2021年7月に、中国政府・中央弁公庁と国務院弁公庁が「義務教育段階の学生の家庭学習及び校外教育の更なる負担軽減に関する意見」を公布。いわゆる「双減」(宿題と学習塾)政策により、義務教育段階の子供に対する度が過ぎた宿題や学習塾通いを禁止した。学習塾などの校外学習機関は、事業規模や授業時間を制限されるなど大きな影響を被り、学而思、高途、学大教育、噠噠英語(Dada)など他の大手教育機関もK12を対象とした授業の停止を余儀なくされた。そうしたなか新たな発展の方向性を見出すべく、新東方が打ち出したのが今回紹介するライブコマースの「東方甄選」だ......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(6)
 ~トップライバーの“退席”と新人ライバーの台頭 自社運営のライブ配信がますます主流に

 中国ライブコマースの発展は、これまでトップライバーの力に頼るところが大きかった。全盛期には薇婭(Viya)と李佳琦(Austin)が2人だけで淘宝直播(タオバオライブ)のGMV全体の30%を占めた。また快手(クワイショウ)でも、辛巴(シンバ)ファミリーのGMVが全体の22%となっていた。こうしたトップライバーが膨大なトラフィックを引きつける一方で、多数のミドル・ロークラスのライバーが残りのトラフィックを奪い合う。ある意味、全体としては大きくバランスを欠いていたといえる......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(5)
 ~店舗からの自社ライブとKOLへの委託ライブ それぞれのメリット・デメリットは?

  昨今の中国ライブコマースは、店舗内でスタッフ自らが配信するものと、中国で「達人」と呼ばれるインフルエンサーによるものとに分かれている。達人によるライブは、さらに専業ライバーと著名人によるものがある......

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◆中国ライブコマース業界研究レポ(4)
 ~Eコマースに特化したMCNが急成長 ライブコマースの成功はMCNがカギを握る?

  ライブコマース業界の発展に伴い、サプライチェーンも成熟するなか、Eコマースを得意とするMCN(マルチチャネルネットワーク)が急成長している。MCNとはKOL(キーオピニオンリーダー)などインフルエンサーを管理・プロデュースする芸能事務所的なマネジメント会社のこと。ライブコマースのエコシステム(ビジネス生態系)内で、プラットフォーム各社との連携、商品調達のサポート、ライバーの育成・アレンジ、コンテンツ制作、トラフィック運営など幅広く担当し、業界内の好循環に大きく貢献している......

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■新着統計データ一覧
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◆中国貿易統計(2013年~2022年)
◆中国主要輸出品の推移(2010年~2021年)
◆中国主要輸入品の推移(2010年~2021年)

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2023年5月号(vol. 104)発行

 会報誌2023年5月号(vol. 104)の巻頭特集では、中国で近年続出するコラボ(コラボレーション)マーケティングについて分析しました。

 ここ数年、中国では異業種間のブランドやキャラクターなどのIP(知的財産)とコラボし、限定商品やイベントを展開して話題を呼ぶマーケティング手法がすっかり定着しています。新商品のプロモーションやブランド知名度アップ、新規・潜在顧客へのアプローチなど目的はさまざまでしょうが、それぞれに大きな効果を発揮しています。

 近年のコラボ事例をみると、件数だけでなく、コラボの対象となる業界の数も増加の一途を辿っています。特に、食品・飲料やアパレルなどは、当初からコラボが盛んな業界ですが、最近では家庭用品や自動車、金融などの業界でも、コラボ事例が増加中。カフェ、アウトドア、ペットなど、当代のトレンドを代表する業界とのコラボが特に人気となっています。

 コラボマーケティングは、ブランド同士によるコラボのほか、ブランドとIPによるものの2つに大きく分けられます。なかでも後者のIP とのコラボが最近は顕著となっています。中国でいうIPとは、キャラクターのみにとどまらず、アーティストや文化施設、博物館、漫画・アニメ、映画・バラエティ番組、さらにネット流行語など種類は多岐にわたります。

 IPとのコラボは、SNS上などで大きな話題を呼べるほか、IPを通してブランドカルチャーを表明しながら、同時にブランド価値を高める効果も期待できるでしょう。

 しかしながら、今や巷にさまざまなコラボが溢れている中国。消費者は似通ったコラボにいささか食傷気味になっているのも事実です。いかにして意外性のあるコラボを展開し、興味や趣味でつながるグループである「圏層」の枠を超え、新しい潜在消費者にアクセスするかが、今後の大きな課題となっています。

 そこで今号では、近年中国でのマーケティング面で流行りのコラボマーケティングに着目。その目的やコラボの類型、トレンド、そして成功事例などを紹介しながら、日本企業にとってコラボマーケティング活用の参考になるようレポートしています。

 次にアフターコロナの中国消費を読み解くべく、中国の消費者を世代・地域・新消費層別に分析しました。新型コロナを抑え込む「ゼロコロナ」政策が緩和され、消費喚起へと大きく舵を切った中国。不動産投資や貿易に先行き不透明感が増すなか、中国経済は大きな転換期を迎えています。

 国連が公表した「2023年の世界経済情勢と展望」によると、2023年には、中国の経済成長率が前年比4.8%増に達すると見込まれています。外資系調査各社も概ね楽観的な予測を発表。英フィナンシャルタイムズと米シティバンクは共同で、2023年の中国消費品小売総額(小売高全体)が、前年比11%増の50兆元に達すると推算しています。

 アフターゼロコロナが本格化した年明けから、中国では春節(旧正月)と5月1日(メーデー)前後の労働節という2つの大型連休がありました。いずれも消費回復の行方を見極める大きな契機となっています。

 まず春節期間には、モノ(商品)とサービス消費がそれぞれ前年同期比10%増と13.5%増を記録。映画のチケット販売は、前年同期比11.9%増の67億6,000万元となり、史上2位の好業績を残しています。

 国内旅行に出かけた人の数は、コロナ前の2019年同期の88.6%にまで回復。労働節の連休には、その数が2億7,400万人を突破し、国内旅行の総収入も1,480億5,600万元と、すでに2019年同期を上回る規模に達しています。

 中国商業聯合会が公表した中国小売業景気指数でも、2023年5月は51.1。景気改善と悪化の分岐点である「50」を5カ月連続で上回っており、小売業界全体の回復基調が顕著となっています。

 中国消費市場の回復は間違いなさそうですが、一方でいわゆる“リベンジ”になっているかどうかは議論が分かれるところでしょう。メディア等の報道では、アフターコロナの中国消費の回復が、当初期待したほどには達していないといった論調もあります。

 そこで、改めて中国消費者の実態を把握することは、今後の中国事業展開にとっても重要な意義があると考えました。中国の消費者にスポットライトを当て、世代別、地域別、圏層(興味・趣味に基づく消費者グループ)別に分析しながら、14億人を抱える中国消費の実状に迫りました。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その9)は、便利・コトだけでなく、商品力でも勝負した盒馬(フーマー)についてです。

 2016年にお店から3キロメートル圏内であれば、注文後30分内に無料でデリバリーするだけでなく、店内に設置された巨大な水槽から水揚げされた新鮮なロブスターやタラバガニなどをその場で調理して食べさせる…。スーパーでのコト(体験)消費のあり方を具現化し、中国人の度肝を抜かしたことは、前号でお伝えしました。

 天井に張り巡らされたベルトコンベアしかり、巨大な水槽、新鮮な食材を使ったイートインコーナーなど、上海っ子に驚きと安心感を与えるには十分な斬新さとエンタメ性でした。

 まずはお店に来てもらうという「つかみはOK」のフーマーでしたが、これで成功できたかというと、そうは“問屋がおろさない”…。消費者は最終的には理性的かつ合理的な消費行動を取るため、普段使いのスーパーとして支持されるには、結局のところ、商品力と価格のリーズナブルさが、一番の肝となったのですが…。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2023年5月号(vol. 104)  もくじ
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【巻頭特集】中国コラボマーケティング分析
中国でIP、異業種、老舗コラボ続出
成功事例から学ぶ中国コラボマーケティング

【消費者研究】世代・地域・新消費層別分析
2000年代生まれ「00後」世代も頭角現す
消費者研究から読み解く中国消費市場の未来

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑨
「日日鮮」シリーズで健康・品質ニーズにも対応!
便利・コトだけでなく、商品力でも勝負した盒馬(フーマー)

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