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【中国消費洞察メルマガ 第580号】中国家計消費で存在感増すネットスーパー

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2023年7月26日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第580号】
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 こんにちは!キャストグローバルの大亀です。

 7月11日に梅雨明けした上海。今年の梅雨は例年よりも雨量が多く、気温も高めだったようです。最高気温30℃を超える日が続くなか、上海独特の蒸し暑さに体力を奪われてしまいます。こう暑くなってくると、厄介なのがマスクでしょう。

 街中だけでなく、空港などでも、マスクをしていない人のほうが多くなっています。私はマスク着用がコロナで習慣化してしまい、外では人混み以外もマスク着用に安心感を抱いてしまいます。飲食店を出る際にすかさずマスクをすると、店員さんから「まだしてるの?」と笑われたりもしました。

 これほど注意しているのですが、夏風邪をこじらせてしまいました。喉の痛みから始まり、咳、鼻水、そして鼻声と、昨年12月に感染したコロナとほぼ同じ症状です。唯一違うのは熱が出なかったこと。ロックダウン時にたくさんもらった抗原検査を何度かしましたが、いずれも陰性でした。

 3年間のコロナ禍で、風邪に対する免疫力が低下したのか…。それとも単に歳を重ねただけなのか…。さすがにコロナが抗原検査に反応しないほど完全変異したとは思いませんが、ウイルスに打ち勝つ体力増強に努めるしかなさそうです。皆さんも猛暑が続きますが、くれぐれもご自愛ください。

 今週のコラムは、家計消費における購入チャネルの変化についてです。では、中国消費洞察メルマガ第580号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第580回)
   ◆家計消費における購入チャネルの変化とは?
    ~中国家計消費で存在感増すネットスーパー~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2023年6月号(vol. 105)発行
     (詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第580回)
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【第580回】 家計消費における購入チャネルの変化とは?
~中国家計消費で存在感増すネットスーパー~

 以前は、スーパーマーケットなどの店舗に出向いて購入していた生鮮品や日用品ですが、大都市を中心に消費のオンライン化が進み、ネットスーパーでの購入が主流となりつつあります。そうしたなか、スーパー店舗の閉店が相次いでいます。

 永輝超市の公式データによると、2023年2月時点の店舗数は1,032店で、ピーク時の1,440店よりも408店減少しています。

 2019年に仏カルフールの中国事業を買収した家電量販大手の蘇寧易購(スニン)も、2022年第3四半期のデータを見ると、2022年の第1~第3四半期に、カルフール54店を閉鎖。中国国内の店舗数は2021年末の205店から151店にまで縮小しています。

 米ウォルマートも、2016年から2020年にかけて、中国国内約80店舗を閉店。2020年から2022年にはさらに、各年11店、31店、21店と閉鎖。さらに、2023年に入ってからも、長春、陝西、江西、山東、北京などの閉店が相次いでいます。

 中国チェーン経営協会(CCFA)が公表した「2021中国スーパーマーケットランキングトップ100」によると、2021年のトップ100企業の取引額は全体で9,076億元。これは前年比2.6%の減少でした。ちなみにトップ3の米ウォルマートが990億元、永輝(ヨンフイ)989億元、大潤発(RTマート・高鑫零售)980億元でした。

 一方、破竹の勢いで成長するネットスーパー。特に、EC系ネットスーパーの京東超市と天猫超市が圧倒的な規模を誇ります。2022年の京東超市の取引高は約3,000億元。天猫超市も1,000億元前後に達しており、両社合計で、すでにトップ100企業の取引高全体の半分近くに達している点は驚きです。

 ユーロモニターの調査でも、天猫超市の消費者浸透率は約59%。カンターの調査でも、天猫超市の認知度は96%、支持率35%で、45%の消費者が日用品の購入の際に、天猫超市を頻繁に利用すると回答しています。

 中国ネットスーパーの代表格でもある盒馬鮮生(フーマー)と叮咚買菜(ディンドン)も、2022年の取引高がそれぞれ450億元と242億元を突破。それぞれ前年比で25%と20.4%も伸びています。

 ネットスーパーを利用する主な理由としても、「品質が保証されている」、「ディスカウント率が高い」に続いて、「使いやすいページデザイン」が上位にランクインしているのは興味深いです。

 詳細な商品や食材の紹介のほか、ショート動画やライブ配信など豊富なコンテンツを通して、自身の欲しい商品やプロモーション情報を見つけやすいのが大きな特徴となっているようです。

 もちろん、ネットスーパーの大きな魅力として、デリバリーも見落とせません。現在、京東超市では中国国内の複数の都市で、1時間内の配送サービスを提供。天猫超市も2023年3月から半日配送サービスを導入しています。

 ネットスーパーの勢いが今後も陰りを見せそうにない中国。ECの取り組みとともに、ネットスーパー各社とどう付き合っていくかがますます大事になっています。

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◆2023年中国消費動向分析レポート(12)
 ~2023年注目の中国消費10大トレンド〜⑥純正主義

 2022年には、食品の安全性に関わる事件が頻発した。関与した企業は深刻なイメージダウンを余儀なくされ、消費者は食品の安全や健康面により注目するようになった。2023年も、こうした安全や健康に関する追求はさらに強まるだろう。成分や原材料などの可視化や科学的に裏付けされた消費を求めるトレンドが、今年もさらに強まっていきそうだ...... 

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◆2023年中国消費動向分析レポート(11)
 ~2023年注目の中国消費10大トレンド~⑤機能の細分化

 コストパフォーマンスや見た目に優れただけの商品では、消費者のニーズを満たすことができなくなっている。技術と使用体験を向上させ、新たなライフスタイルやシーンを提案できなければ、今後際立った差別化は難しくなるだろう。市場で人気の商品を分析してみると、よりきめ細かく機能性を追求しているものほど、大きな可能性やパワーを秘めていることがわかる......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(10)
 ~2023年注目の中国消費10大トレンド~④“なまけもの”的健康観

 水筒のお湯にクコを足したり、保温下着を着込んだり、寝る前に足湯をしたり、ビタミンやプロバイオティクスのサプリを飲んだりと、中国人の健康に対する情熱は高まる一方だ。こうした健康志向は絶えず変化しており、受け身の健康観からより積極的な健康促進へ、また医食同源(日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防・治療できるとする考え方)から、より手軽なインスタント健康食品へとシフトが進んでいる......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(9)
 ~2023年注目の中国消費10大トレンド~③アウトドア人気

 2022年には、ゼロコロナの影響で遠出の旅行が自粛された結果、近場のアウトドアレジャーが大ブームとなった。家でじっとしていることが苦手な若者たちは、市内の河川や湖、球技場などに繰り出し、フリスビーやサップ(SAP)、スケートボード、キャンプなどで娯楽と社交ニーズを同時に満たした。これらアクティビティの共通点は、参加のハードルが低く、社交性が強く、写真・動画撮影に向いている点といえるだろう...... 

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◆2023年中国消費動向分析レポート(8)
 ~2023年注目の中国消費10大トレンド〜②ムード重視

 3年に及ぶゼロコロナで、自宅で過ごす時間が増えた中国人は以前よりも精神的な快適さを重視するようになった。どんなモノをどこに置くかといった細部にもこだわり、ムードを高めて気分を変えたいと考える人も増えている。2022年にリラックスや楽しい気分になる目的で、ムードを演出するための消費をしたと答えた人が、全体の52.9%に達した調査結果もある......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(7)
 ~2023年注目の中国消費10大トレンド~①理性消費

 コンサルティング大手アクセンチュアの「2022中国消費者洞察」から、2022年には、中国人が消費により堅実で慎重な態度を取るようになったことがわかった。アンケート回答者の92%が、中国で「月光族」と呼ばれる、月給を使い果たすような消費観を否定。商品やサービスの具体的な機能や効果に着目し、より多角的に比較・検討している。また購入前に複数のウェブサイトで価格を比較する消費者も6割にのぼっている......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(6)
 ~コロナ禍で中国消費はどう変わった?〜⑤中間層拡大で中高所得層に強い消費欲?

 マッキンゼーは、2019年から2021年にかけて、年間収入が16万元を超える中国の世帯年平均増加率(GAGR)は18%に達し、2025年には新たに7,100万世帯がこの層に仲間入りすると予想している。このように毎年多くの中間層を生み出している国はほかに例がなく、中国消費市場の大きな潜在性がうかがえる。 中所得以上の層の増加は、高級ブランドにとって大きな福音といえる......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(5)
 ~コロナ禍で中国消費はどう変わった?〜④貯蓄率過去最高、リベンジ消費に向かう?

 中国の経済成長は鈍化しつつあるが、各種データから、中国経済は依然として力強さを保っていることが見て取れる。国家統計局によると、2022年の中国居住者の平均可処分所得は3万6,900元で、前年比5%成長した。2022年12月時点の全国失業率も、コロナ前とほぼ同じ水準の5.5%を維持。消費者物価指数(CPI)も平均2%上昇している。先行き不透明感の増大を反映してか、貯蓄率が過去最高を記録した。中国人民銀行によると、2022年の家計貯蓄額は17兆8,000億元で、2021年の9兆9,000億元から大幅に増加している......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(4)
 ~コロナ禍で中国消費はどう変わった?〜③ご当地主義・地産地消で利益も還元

 厳格なゼロコロナ政策により、国外への渡航が制限され、海外とのヒトの往来が激減した。また都市封鎖(ロックダウン)などの影響でモノの動きにも支障が出た。海外のブランドや商品に触れる機会がめっきり減った中国の消費者たちは、本土回帰の姿勢を示しつつある。ライフスタイルに関しても、西洋文化崇拝の傾向から自国文化重視へとシフトが進んでいる......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(3)
 ~コロナ禍で中国消費はどう変わった?〜②のんびりでシンプルなライフスタイルに

 コロナがもたらした社会の変化や不安増大により、中国の消費者は心の健康や生活の質をより重視するようになった。忙しすぎる仕事や過度な情報に倦怠感を感じる人も増えている。英市場調査会社ミンテル(Mintel)によると、アンケート回答者の66%が情報過多の現状に倦怠感を感じ、自分と関係のないエンタメや社会のニュースに注目しないよう努めているとした...... 

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◆2023年中国消費動向分析レポート(2)
 ~コロナ禍で中国消費はどう変わった?〜①慎重消費:節約志向ながらも品質を重視

 新型コロナによる将来に対する不確実性の高まりや景気停滞を背景に、人々は消費の際に予算をより意識するなど節約志向を強めた。そうしながらも、品質に対する要求には大きな変化はなく、品質と価格のバランスがより重要視されるようになっている。 コロナの流行を経て、中国の人々は自分に本当に必要なものは何かを改めて考えるようになった。商品自体の価値を評価し、量よりも質を重視......

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◆2023年中国消費動向分析レポート(1)
 ~アフターコロナでリベンジ消費到来するか!? 2023年の中国消費トレンド動向を洞察

 中国政府が2022年12月に新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策を転換し、感染が一気に中国全土に広がったが、2023年に入り、中国国内の消費と経済に回復傾向が見られる。ゼロコロナ政策転換後初の大型連休となった2023年の春節(旧正月)には、小売や外食、旅行などリアルでの消費が大きな盛り上がりを見せた。中国政府の文化・旅行部(文化和旅游部)によると、春節期間中の中国国内旅行者数は3億人超で、関連消費は3,758億元に達した......

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■新着統計データ一覧
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◆中国2023年上半期のGDPは前年比5.5%増
◆中国の失業率統計(2023年1~6月)

統計データ一覧はこちら >> 
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2023年6月号(vol. 105)発行

 会報誌2023年6月号(vol. 105)の巻頭特集では、コロナ禍を経て、“香り”に癒しや自己表現を求めるようになった中国フレグランス市場を取り上げました。

 米調査会社ギャラップの最新世論調査によると、世界中の成人の10人に4人が、何らかのストレスを抱えているとのこと。北京知萌諮詢(Foresight Consulting)の「中国消費トレンド報告」でも、全体の76.2%が焦燥感を感じていると回答。仕事、家庭への責任感、金銭問題、経済環境、家族の健康などが主な理由となっているようです。

 また、多くの人が、過去1年間にストレス(49%)、焦燥感(38%)、精神的疲労感(22%)、過度の疲労(20%)などの問題を抱えていたと回答。心の中に蓄積するストレスや焦燥感を抱えるなか、消費を通して心の緊張を解き、安らぎを得たいと考える若者も増えています。

 そうしたなか、中国で「療癒経済」と称される癒しエコノミーが、新たな消費キーワードとして大きな注目を集めています。全球健康研究所が公表したレポート「世界健康経済:新型コロナを越えて」によると、世界の癒しエコノミーの市場規模は、毎年約10%増のペースで拡大を続けており、2025年には7兆元に達すると見込まれています。

 癒しエコノミーは広範囲をカバーします。精神的に心地よいと感じる体験(コト)のほか、リラックスして快適な気分になれる商品やサービスなど、すべてこの範疇に含まれると言っても過言ではないでしょう。

 メディテーション(瞑想)やヨガ、トレーニング、座禅などはもちろん、ロッククライミングやホームパーティ、密室脱出ゲームなどのアクティビティも、ストレス発散型の癒しといえます。そのほか、フードセラピーやアロマテラピーなどの健康系の癒しや、箱を開けるまで中身がわからないブラインドボックス(中国語:盲盒)、デザイントイなどのサプライズ系の癒しもあるでしょう。

 人気のカフェやハンドメイド(DIY)、おひとり様向けレストラン、ペットなどもこれに属します。ストレス発散を主目的とした雑貨も、癒しエコノミーの下で大きな注目を集め、様々なネットでバズる「網紅」(ワンホン)商品が生まれています。

 今号で取り上げた香水などのフレグランスも、癒しエコノミーを象徴するジャンルの1つでしょう。香りがもたらす嗅覚体験や気分、中国で「儀式」と称されるセレモニー的要素を楽しむ中国人が急増しています。

 高級ブランドからマイナーなメゾン系ブランドまで香水の多様化が進んでいます。また香水のみならず、キャンドル、オイル、デフューザーなど、様々な形態のアロマ製品が、若年消費者の日常生活に定着しつつあります。

 そこで今号では「療癒経済」の下、急成長を続ける中国の香水市場や消費の特徴、マーケティングトレンド、ユーザー像に加えて、香水とともにニーズが高まるルームフレグランスについても詳細に分析しています。

 次に、低価格やディスカウントは二の次で、「悦己」トレンドが顕著となっている中国家計消費状況についてレポートしています。

 経済成長と所得水準の上昇に伴い、世帯(家庭)構造が大きく変化している中国。世帯当たりの人数が減少し、核家族化が浸透すると同時に、単身の一人暮らしの割合が増え続けています。

 一方で、中国政府は1979年から導入していた「一人っ子政策」を徐々に見直し、2016年にはすべての夫婦に2人目の出産を認める「二人っ子政策」を実施。2021年には第3子の出産も容認したことで、複数の子供を持つ世帯も増加しています。

 このように一人暮らしを含む「核家族」と「子だくさん」という逆方向の動きが、現在の中国世帯(家庭)構造の変化を形作る2大トレンドとなっているなか、中国人のライフスタイルや家計消費にも大きく影響を及ぼしています。

 中国で2016年頃から顕著となる、より良いモノやサービスを求める「消費昇級」(消費アップグレード)トレンドが継続するなか、家計消費におけるニーズも様変わりしつつあります。以前は、家族(子供)の生活や教育が優先で、自分は二の次だったのが、自分を悦ばせる、満足させることが、同時に家族の幸せにもつながるといった考え方も広まっています。

 まさに近年、中国消費でよく言及される、自分を悦ばせるという意味の「悦己」(ユエジー)が、家計消費にも浸透しているのです。例えば、子女の教育や成長を見守り、バックアップすることが、自身が追求する価値観の体現につながるといった考え方です。

 また、家計消費の中心層が、時代の移り変わりとともに若年化していくなか、消費に対する価値観や行動も多様化。各世代ごとの特徴や違いの差が顕著になってきています。現在、20〜30歳代の「90後」(1990~94年生まれ)や「95後」(1995~1999年生まれ)世代が、結婚して家庭を持ちはじめたことにより、家計消費にも様々なニュートレンドが生まれています。

 今号では、コロナ禍を経て、中国の新しい家庭像と家計消費の実態に注目し、健康、安心・安全、精神的つながり、自己実現や癒しなど、現代の中国世帯が抱えるニーズにスポットライトを当て、詳細に分析しています。また①乳製品、②飲料、③スナック食品、④コメ・油・食品、⑤粉ミルク、⑥ペット関連品、⑦家庭用洗剤、⑧パーソナルケア品、⑨日用品を対象に、各ジャンルの特徴やニーズも分析しました。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その10)は、支払いをスマホ決済のみに集約した盒馬(フーマー)についてです。

 盒馬が誕生した2016年頃は、まだスマホ決済が徐々に普及しはじめたころ。高齢者や地方の人たちは、まだスマホすら持っていないのがごく当たり前でした。また、セキュリティの問題などを不安視する人たちが、スマホ決済を敬遠するのもごく一般的でした。

 そうしたなか、盒馬はオープン当初から、支払いはアリババ系のスマホ決済「支付宝」(アリペイ)のみに限定。店舗を初めて訪れた際も、食材を選んでレジに向かったところ、店員から、まずは盒馬の公式アプリをダウンロードして会員になってくれと要請されました。もちろん、そのアプリ上での支払いは、アリペイと紐付ける必要がありました。

 アプリからネットで注文する際も、支払いはアリペイのみ。このように支払いをアリペイに集約させる理由は一体、何だったのでしょう?

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2023年6月号(vol. 105)  もくじ
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【巻頭特集】中国フレグランス市場分析レポート
“香り”で自己を表現する風潮広がる
「療癒経済」で急成長の中国フレグランス市場

【消費者研究】中国家計消費状況調査レポート
低価格やディスカウントは二の次!
家計消費でも「悦己」トレンドが顕著に

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑩
クレームには即返金で対応!
スマホ決済でビッグデータ収集した盒馬(フーマー)

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