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【中国消費洞察メルマガ 第584号】ライブコマース急成長の「小紅書」(RED)

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2023年8月23日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第584号】
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 こんにちは!キャストグローバルの大亀です。

 今夏の日本滞在で、最も慣れなかったのが支払いでした。今やスマホ以外の決済方法がなくなったともいえる中国での習慣が身に沁みているため、いざ現金を使うとなると、財布の扱いにもぎこちなさを感じてしまいました。

 とはいえ、コロナ前から交通系カードのスイカをスマホにインストール済みだったので、基本、キャッシュレスが可能でした。ただスイカはポイントが貯まらないため、スーパーやコンビニでの小額決済ですら、クレジットカードを使いましたが、やはりスマホ決済のシンプルさには敵いません。

 そこで、やはりQRコード決済をと思い、ペイペイをダウンロードしました。チャージには銀行口座との紐づけが必要で、本人確認後に口座の情報を入れました。ところがワンタイムパスワードが必要とのことで、手持ちにトークンがなかったために断念。中国に戻ってから、コンビニで現金でチャージできると聞きましたが、後の祭りでした。

 一方、日本でもスマホ決済の普及を目の当たりにしました。クライアントとの会食で訪れた塚田農場。QRコードを読み取り、スマホ画面からオーダーできるだけでなく、チェックインで会員の格付けが上がるシステムも導入されていました。人手不足が騒がれるなか、今後ますます普及していきそうですね。

 今週のコラムは、ライブコマース急成長の「小紅書」(RED)についてです。では、中国消費洞察メルマガ第584号をお送りいたします。

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■ユーチューブ「中国消費洞察」チャンネル
>> https://www.youtube.com/@china.marketing.insight
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中国歴25年の日本人コンサルタントがお届けする中国消費・マーケティング情報です。中国の消費現場、トレンド、ネット・EC、小売・流通、消費者動向などを5分前後の動画で解説します。中国での事業計画やマーケティング戦略にとって有益なインサイトとなるよう願っています。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第584回)
   ◆中国の情報拡散はTikTokとREDが2強!
    ~ライブコマース急成長の「小紅書」(RED)~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2023年6月号(vol. 105)発行
     (詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第584回)
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【第584回】 中国の情報拡散はTikTokとREDが2強!
~ライブコマース急成長の「小紅書」(RED)~

ユーチューブ動画はこちら >>
https://youtu.be/h8JqtvOCA8I

 中国語で“草を植える”という意味の「種草」(ジョンツァオ)。ネットやSNSでオススメ情報を拡散させるシーディング(種まき)の行為を指しますが、SNSやショート動画が中国で人気になるにつれ、売上を伸ばすための大切な手法の一つとして定着しています。

 この「種草」する場として最も効果的なのが、ショート動画アプリで中国版TikTokの「抖音」(ドウイン)です。動画はテキストや写真よりも、より直感的かつ直接、視聴者にアピールできることが強みです。

 また各ユーザーの興味や閲覧履歴に応じて表示させるアルゴリズムを通して、よりターゲットを絞ったアプローチが可能となります。

 もう一つ、中国で「種草」する場として、忘れてはならないのが、中国版インスタグラムとも称されるSNSアプリの「小紅書」(RED)です。

 高い専門性で若いユーザー層から多大な信頼を集めるKOL(キーオピニオンリーダー)が多く集まり、購入するかどうかを決心する前に確認する場として利用されているようです。

 実はこの小紅書。商品だけでなく旅行やグルメなどでも重宝されています。

 中国調査会社のBigData Research(比達諮詢)によると、2020年上半期に中国人が旅行の際に参考にしたプラットフォームで、小紅書が携程(Ctrip)やアリババ系の飛猪(Fliggy)など旅行専門プラットフォームを抑えて、トップに立ちました。

 2023年の春节(旧正月)でも、小紅書での旅行関連の投稿数が前年同期比で70%近く増加したようで、旅行の際の情報源として定着しています。

 また同じく調査会社のAnalysys(易観)のアンケート調査でも、若者の5割超が小紅書で料理のレシピを調べていることが明らかになっています。小紅書は、今や中国の若者が最もよく利用する美食コンテンツプラットフォームとなっているのです。

 であれば、企業としていかに小紅書を活用すべきかという論点もでてくるでしょう。小紅書で企業がコンテンツを配信するためには、同社公式の広告管理プラットフォームである「蒲公英」を通すことが義務づけられています。

 検索サイトのキーワード広告に似た入札方式で、広告目的のコンテンツを情報フローに露出させたり、露出回数が保証された付加価値サービスにより、露出を高めることが可能となっています。

 2021年8月に、小紅書は新しい企業アカウントシステムである「号店一体」を導入しました。アカウントとECショップを一体化するのが目的で、配信した画像や動画コンテンツ上にEC店舗のアイコンを掲載。企業などの公式アカウントとEC店舗を相互リンクさせました。

 小紅書もショート動画の抖音(TikTok)同様に、アプリ内にEC機能を追加して、コンテンツから直接コンバージョン(販売転換)させるクローズドシステムを構築済みです。

 鳴かず飛ばずの状態がしばらく続きましたが、2022年頃からライブコマースが徐々に伸びてきているようです。2022年にライバー数が前年比337%増、ライブ配信数も214%と急増。今年3月からライブ事業を独立部門として昇格させ、ライブコマースとの連携を本格化させています。

 単なる情報発信と拡散の場から、売上を生み出すエコシステムへと変容するのか?日本企業にとっても小紅書の動向と活用に要注目です。

ユーチューブ動画はこちら >>
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◆中国KOLマーケティング調査分析レポート(4)
 ~中国KOLの現状③~フォロワー数はお笑い系が最多、ドラマ、生活記録系も急成長

 KOLをタイプ別に分類したうえで、フォロワー数の分布状況を見てみよう。フォロワー数が最も多いのは、お笑い系のKOLだ。ゲーム系やグルメ系もフォロワー数を増やしており、それぞれ2位、3位となっている。ドラマ系や生活記録(ライフログ)系もフォロワー数が急増しており、成長率は30%以上となっている。両ジャンルのKOLは、幅広い題材を扱うこともできるし、企業とのタイアップにも高い潜在性を秘めている......

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◆中国KOLマーケティング調査分析レポート(3)
 ~中国KOLの現状②~希少価値高いトップKOL、全体の76%以上占めるKOC

 中国調査会社の克労鋭指数研究院(TOPKLOUT)が、微博(ウェイボー)、抖音(ドウイン・TikTok)、快手(クアイショウ)、bilibili(ビリビリ)、知乎(ジーフー)、西瓜視頻(スイカビデオ)、微信(ウィーチャット)などのプラットフォームを対象にした調査によると、2022年に、1万人以上のフォロワーを有するKOLの数が1,310万人に達した。ちなみに2020年と2021年の数はそれぞれ900万人と1,102万人だった......

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◆中国KOLマーケティング調査分析レポート(2)
 ~中国KOLの現状①~ショート動画とライブ配信がKOLの成長を牽引

 中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、2022年6月時点の中国ショート動画ユーザー数は9億6,200万人で、前年同期比1億4,400万人も増加した。この数はネットユーザー全体の91.5%を占め、毎日なんらかのショート動画コンテンツを視聴しているコアなユーザーの割合も54.8%に達している......

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◆中国KOLマーケティング調査分析レポート(1)
 ~KOCの存在感増す中国でいかに「種草」(シーディング)運営すべきか?

 目まぐるしく変化を繰り返す中国消費。以前のように、スター(芸能人)や有名人を起用したイメージ戦略だけでは、特に若者にはブランドや製品をアピールすることが難しくなっている。その一方で、中国で「種草」(ジョンツァオ)と呼ばれるシーディング(種まき)の重要性がますます高まっている。ちなみに種草(シーディング)とはマーケティング用語で、宣伝や広告ではなく、SNSやショート動画で情報を発信し、そこからの拡散や“バズリ”を狙ったマーケティング活動といえる......

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◆中国Z世代調査分析レポート(13)
 ~中国消費の主力層となるZ世代の特徴、嗜好、ニーズの把握がマストに!

 Z世代は成長し、社会人になることで、消費力も高まり続けている。今後は中国消費の主力層として、消費トレンドや変化を生み出していく存在になるだろう。彼らは生活のクオリティを重視する。最も重要なのは製品の質で、ネットのクチコミ評価などから刺激や影響を受けやすい。実際に購入する前にはオンライン、オフライン双方で、さまざまな店舗を比較。コストパフォーマンスも、彼らに影響を与える大きな要素となっている......

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◆中国Z世代調査分析レポート(12)
 ~中国消費で存在感増すIPとは? Z世代がIPのコアな消費層に

 中国でよく耳にする「IP」。Intellectual Property(知的財産)の略だが、中国ではクリエイティブな作品(文学、映像、アニメ、ゲームなど)全般を指し、そこから生まれるイラストやキャラクターなどを指すことが多い。インターネットやSNSの時代において、魅力や影響力を兼ね備え、トラフィックを誘導できる(引き寄せる)力を有し、派生的なコンテンツも生み出せるヒト(キャラクター含む)、モノ、コンセプトなど幅広く適用される......

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◆中国Z世代調査分析レポート(11)
 ~Z世代の消費特徴(スキンケア)②~成分にもこだわり、植物由来成分にも注目

 Z世代はスキンケアに対して豊富な知識を有し、製品の成分についても詳しく研究している。アンチエイジング成分であるレチノールや抗酸化成分のビタミンCは、特に人気の高い成分で、植物由来成分にも注目している。海外ブランドだけでなく、高い専門性を誇る機能重視型の中国国産ブランドも、徐々にブランド認知度を高めている......

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◆中国Z世代調査分析レポート(10)
 ~Z世代の消費特徴(スキンケア)①~嗜好品から必需品へ、「顔値」(見た目)重視

 中国でより良いモノやサービスを求める「消費昇級」(消費アップグレード)トレンドが広がるなか、スキンケア製品はもはや買うかどうかを迷う嗜好品から必需品へと変化を遂げている。特に「95後」世代の間では、この傾向が顕著になっている。「敢賺敢花」(稼いで使う)、「悦己至上」(自分を悦ばせること第一)は、「95後」世代にとって消費の重要なキーワードとなっている。

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
https://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=5050

◆中国Z世代調査分析レポート(9)
 ~Z世代の消費特徴(スマホ・デジタル)②~bilibiliから情報収集、専門的なコンテンツに注目

 デジタル製品は、テクノロジーや機能の理解の難易度が高い製品といえる。Z世代は、主に動画やライブ配信からデジタル製品の関連情報を入手している。動画はインタラクション機能を使うことで、幅広い情報をより直観的かつ網羅的に伝えることができることから、Z世代の嗜好に最も適したメディアといえる...... 

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
https://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=5049

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■新着統計データ一覧
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◆中国2023年上半期のGDPは前年比5.5%増
◆中国の失業率統計(2023年1~6月)

統計データ一覧はこちら >> 
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2023年6月号(vol. 105)発行

 会報誌2023年6月号(vol. 105)の巻頭特集では、コロナ禍を経て、“香り”に癒しや自己表現を求めるようになった中国フレグランス市場を取り上げました。

 米調査会社ギャラップの最新世論調査によると、世界中の成人の10人に4人が、何らかのストレスを抱えているとのこと。北京知萌諮詢(Foresight Consulting)の「中国消費トレンド報告」でも、全体の76.2%が焦燥感を感じていると回答。仕事、家庭への責任感、金銭問題、経済環境、家族の健康などが主な理由となっているようです。

 また、多くの人が、過去1年間にストレス(49%)、焦燥感(38%)、精神的疲労感(22%)、過度の疲労(20%)などの問題を抱えていたと回答。心の中に蓄積するストレスや焦燥感を抱えるなか、消費を通して心の緊張を解き、安らぎを得たいと考える若者も増えています。

 そうしたなか、中国で「療癒経済」と称される癒しエコノミーが、新たな消費キーワードとして大きな注目を集めています。全球健康研究所が公表したレポート「世界健康経済:新型コロナを越えて」によると、世界の癒しエコノミーの市場規模は、毎年約10%増のペースで拡大を続けており、2025年には7兆元に達すると見込まれています。

 癒しエコノミーは広範囲をカバーします。精神的に心地よいと感じる体験(コト)のほか、リラックスして快適な気分になれる商品やサービスなど、すべてこの範疇に含まれると言っても過言ではないでしょう。

 メディテーション(瞑想)やヨガ、トレーニング、座禅などはもちろん、ロッククライミングやホームパーティ、密室脱出ゲームなどのアクティビティも、ストレス発散型の癒しといえます。そのほか、フードセラピーやアロマテラピーなどの健康系の癒しや、箱を開けるまで中身がわからないブラインドボックス(中国語:盲盒)、デザイントイなどのサプライズ系の癒しもあるでしょう。

 人気のカフェやハンドメイド(DIY)、おひとり様向けレストラン、ペットなどもこれに属します。ストレス発散を主目的とした雑貨も、癒しエコノミーの下で大きな注目を集め、様々なネットでバズる「網紅」(ワンホン)商品が生まれています。

 今号で取り上げた香水などのフレグランスも、癒しエコノミーを象徴するジャンルの1つでしょう。香りがもたらす嗅覚体験や気分、中国で「儀式」と称されるセレモニー的要素を楽しむ中国人が急増しています。

 高級ブランドからマイナーなメゾン系ブランドまで香水の多様化が進んでいます。また香水のみならず、キャンドル、オイル、デフューザーなど、様々な形態のアロマ製品が、若年消費者の日常生活に定着しつつあります。

 そこで今号では「療癒経済」の下、急成長を続ける中国の香水市場や消費の特徴、マーケティングトレンド、ユーザー像に加えて、香水とともにニーズが高まるルームフレグランスについても詳細に分析しています。

 次に、低価格やディスカウントは二の次で、「悦己」トレンドが顕著となっている中国家計消費状況についてレポートしています。

 経済成長と所得水準の上昇に伴い、世帯(家庭)構造が大きく変化している中国。世帯当たりの人数が減少し、核家族化が浸透すると同時に、単身の一人暮らしの割合が増え続けています。

 一方で、中国政府は1979年から導入していた「一人っ子政策」を徐々に見直し、2016年にはすべての夫婦に2人目の出産を認める「二人っ子政策」を実施。2021年には第3子の出産も容認したことで、複数の子供を持つ世帯も増加しています。

 このように一人暮らしを含む「核家族」と「子だくさん」という逆方向の動きが、現在の中国世帯(家庭)構造の変化を形作る2大トレンドとなっているなか、中国人のライフスタイルや家計消費にも大きく影響を及ぼしています。

 中国で2016年頃から顕著となる、より良いモノやサービスを求める「消費昇級」(消費アップグレード)トレンドが継続するなか、家計消費におけるニーズも様変わりしつつあります。以前は、家族(子供)の生活や教育が優先で、自分は二の次だったのが、自分を悦ばせる、満足させることが、同時に家族の幸せにもつながるといった考え方も広まっています。

 まさに近年、中国消費でよく言及される、自分を悦ばせるという意味の「悦己」(ユエジー)が、家計消費にも浸透しているのです。例えば、子女の教育や成長を見守り、バックアップすることが、自身が追求する価値観の体現につながるといった考え方です。

 また、家計消費の中心層が、時代の移り変わりとともに若年化していくなか、消費に対する価値観や行動も多様化。各世代ごとの特徴や違いの差が顕著になってきています。現在、20〜30歳代の「90後」(1990~94年生まれ)や「95後」(1995~1999年生まれ)世代が、結婚して家庭を持ちはじめたことにより、家計消費にも様々なニュートレンドが生まれています。

 今号では、コロナ禍を経て、中国の新しい家庭像と家計消費の実態に注目し、健康、安心・安全、精神的つながり、自己実現や癒しなど、現代の中国世帯が抱えるニーズにスポットライトを当て、詳細に分析しています。また①乳製品、②飲料、③スナック食品、④コメ・油・食品、⑤粉ミルク、⑥ペット関連品、⑦家庭用洗剤、⑧パーソナルケア品、⑨日用品を対象に、各ジャンルの特徴やニーズも分析しました。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その10)は、支払いをスマホ決済のみに集約した盒馬(フーマー)についてです。

 盒馬が誕生した2016年頃は、まだスマホ決済が徐々に普及しはじめたころ。高齢者や地方の人たちは、まだスマホすら持っていないのがごく当たり前でした。また、セキュリティの問題などを不安視する人たちが、スマホ決済を敬遠するのもごく一般的でした。

 そうしたなか、盒馬はオープン当初から、支払いはアリババ系のスマホ決済「支付宝」(アリペイ)のみに限定。店舗を初めて訪れた際も、食材を選んでレジに向かったところ、店員から、まずは盒馬の公式アプリをダウンロードして会員になってくれと要請されました。もちろん、そのアプリ上での支払いは、アリペイと紐付ける必要がありました。

 アプリからネットで注文する際も、支払いはアリペイのみ。このように支払いをアリペイに集約させる理由は一体、何だったのでしょう?

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2023年6月号(vol. 105)  もくじ
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【巻頭特集】中国フレグランス市場分析レポート
“香り”で自己を表現する風潮広がる
「療癒経済」で急成長の中国フレグランス市場

【消費者研究】中国家計消費状況調査レポート
低価格やディスカウントは二の次!
家計消費でも「悦己」トレンドが顕著に

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑩
クレームには即返金で対応!
スマホ決済でビッグデータ収集した盒馬(フーマー)

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