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【中国消費洞察メルマガ 第590号】“スロー”ライブコマースが人気の「小紅書(RED)」

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2023年10月11日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第590号】
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 こんにちは!キャストグローバルの大亀です。

 スポーツの秋、真っ盛りですね。ラグビーのワールドカップは1次リーグ敗退で残念でしたが、明らかに強くなっています。バレーもアメリカに大接戦の末、惜敗しましたが、こちらも前回のバスケ同様にパリ五輪出場を決めました。

 杭州のアジア大会も盛り上がりました。今回、特にこれまで馴染みのない種目を多く見かけました。eスポーツからローラーブレードを使った各種競技のほか、インド発のカバディという、敵にタッチした後に捕まらないように急いで自陣に戻るといった珍しい競技もありました。

 サッカーや野球、バスケなど日本はベストメンバーで臨めませんでしたが、いずれもベストを尽くしたと思います。女子サッカーは“3軍”(?)とか言われていましたが、圧倒的な強さで金メダルを獲得しました。

 そうしたなか、野球は予選で中国に1-0で敗戦。社会人中心だったとはいえ、まさか負けるとは…と驚きましたが、中国野球のレベルも急速に上がっているようです。ずっと以前に野球用品メーカーから中国でいかに販売を伸ばすか…と相談を受けたことを思い出しました。これを機に盛り上がってほしいですね。

 今週のコラムは、“スロー”ライブコマースが人気の「小紅書(RED)」についてです。では、中国消費洞察メルマガ第590号をお送りいたします。

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中国歴25年の日本人コンサルタントがお届けする中国消費・マーケティング情報です。中国の消費現場、トレンド、ネット・EC、小売・流通、消費者動向などを5分前後の動画で解説します。中国での事業計画やマーケティング戦略にとって有益なインサイトとなるよう願っています。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第590回)
   ◆圧倒的な情報拡散力ながらECは苦戦…
    ~“スロー”ライブコマースが人気の「小紅書(RED)」~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2023年9月号(vol. 107)発行
     (詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第590回)
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【第590回】 圧倒的な情報拡散力ながらECは苦戦…
~“スロー”ライブコマースが人気の「小紅書(RED)」~

 会報誌9月号で、「小紅書(RED)」を特集しました。中国版インスタグラムとも称される小紅書。いまや単なるSNS(ソーシャルサイト)としてだけでなく、生活全般の“検索エンジン”として、老若男女問わず、多くの中国ネットユーザーにとっての情報源と化しています。

 小紅書を初めて目にしたのは2016年ごろ。上海のタクシーの後部座席用に設置されたスクリーンで、人気俳優の胡歌(フー・ゴー)が日本の観光地や飲食街を探索する姿が、動画広告として流れていました。

 当時、日本では「爆買い」ブームで、多くの中国人旅行客が押し寄せ、スーツケースをゴロゴロと転がしながら、薬や化粧品から炊飯器、温水洗浄便座まで買い漁っていました。そうした日本旅行やショッピングの指南役として、一気に広まりました。

 その後、越境ECも盛んとなります。日本から各種商品情報を発信し、直接ネット販売する現地バイヤーのほか、「12の神薬」と呼ばれる“日本で買うべき薬12選”といった情報など、再び人気を博しました。

 しかし爆買いも越境もブームが一旦落ち着き、しばらく影を潜めていたのですが、2018年ごろにまた急浮上します。そのきっかけが新興コスメブランドの「完美日記(パーフェクトダイアリー)」です。

 中国で「種草」(ジョンツァオ)と呼ばれるシーディング。オススメ商品の推し情報をSNS上でさりげなく拡散させる“種まき”的行為なのですが、パーフェクトダイアリーがこの種草を巧みに活用して大成功を納めたことで、その手法が広く注目を集めました。

 その後も、無糖フレーバー入り炭酸水の元気森林をはじめとする数多くの「新消費」と呼ばれる新興ブランドが、同じ手法で一気に売上を伸ばしました。中国マーケティング分野で、種草がますます重要となるなか、「種草機」(シーディングマシン)と呼ばれるほどの“第一人者”となった小紅書。

 上海のロックダウン時には、知人の“おじさん”連中も、何か自炊する際に小紅書でレシピを参考にした。またカナダでも中国人の間では小紅書が情報収集ツールになっている。台湾でも小紅書で情報発信し、あわよくば「網紅」(ワンホン)になろうとしている…といった話を耳にしました。

 このように情報発信・拡散面で圧倒的強さを誇る小紅書ですが、ECでは苦戦しています。小紅書で情報は収集するのですが、購入は淘宝(タオバオ)などECサイトに移るユーザーがほとんどなのが実態です。

 そうしたなか今年に入り、「慢直播」と呼ばれる“スロー”なライブコマースが大流行していることを知りました。小紅書ならではの見事な手法ともいえるのですが、これを機に改めて小紅書ECの現状と今後について把握しておくべきとの思いで、レポートにまとめました。

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■新着コンテンツ一覧
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◆世代・地域・新消費層別分析(7)
 ~世代別の消費状況は?⑤~ Z世代

 物質的に満たされ、たくさんの情報で溢れる時代に育ったZ世代は、比較や研究が得意な世代だ。情報を盲目的に信じることはなく、パーソナライズ(個性化)を好む。中国で、無欲で動じないという意味に使われる「仏系」や中庸は、無気力に寝そべるという意味の「躺平」(タンピン)とは異なる1つのライフスタイルといえる。Z世代にとて、“成功”の定義は幅広く、従来的な意味での出世には執着しない。中国の国際的な地位向上とともに成長した彼らは、自国の文化に自信を持ち、そこから派生するサブカルチャーやマイナーカルチャーも愛している......

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◆世代・地域・新消費層別分析(6)
 ~世代別の消費状況は? ④~Y世代

 Y世代は初代一人っ子世代であり、経済的に恵まれた家庭環境で育っている。それと同時に、見えない期待やプレッシャーを背負っている世代でもある。彼らは周囲の期待に応えるべく、職場や家庭で奮闘している。時間的にも精力的にも制約が多いY世代は、圏層(趣味や興味でのつながり)やカルチャーに関しても、下のZ世代に比べて大衆的な傾向が見られる...... 

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◆世代・地域・新消費層別分析(5)
 ~世代別の消費状況は?③~ X世代

 X世代はキャリアのピークを迎え、社会的地位や富において、さらに一歩ステージを高めたいと望んでいる。従来型の“成功”こそが、彼らの追求する目標ともいえるだろう。社会に溶け込み、帰属意識を持つことを重視する彼らにとって、人間関係は維持すべき重要な要素だ。一方で、時代の流れに逆らわず、新しい価値観やモノに対する柔軟性も、ある程度備えている...... 

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◆世代・地域・新消費層別分析(4)
 ~世代別の消費状況は?②~ ベビーブーム世代

 社会的にはリタイア目前の彼らは、煩わしい人付き合いに頭を悩ませたり、他人に自分の価値を証明するといった承認欲求が減退。自身の本当のニーズに向き合いたいと考えるようになっている。彼らの認知や行動パターンは、昔からあまり変わらず、自分が認知できる範囲内で選択することを好む。

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◆世代・地域・新消費層別分析(3)
 ~世代別の消費状況は?①~ 消費の主力はX世代とY世代

 世代が異なれば、金銭感覚も異なる。貯蓄や投資、消費に対する見方にもそれぞれに少なからぬ違いが存在している。Y世代とZ世代は、消費を好み、貯蓄や投資にはあまり熱心とはいえない。特にZ世代は限られた収入のなかで最大限に消費したいと考える人も多い傾向にある......

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◆世代・地域・新消費層別分析(2)
 ~消費市場を左右する4世代(ベビーブーム・X・Y・Z世代)ごとに分析

 中国総人口の約8割は、1950~1964年生まれの「ベビーブーム世代」(年齢59~73歳)、1965~1979年生まれの「X世代」(年齢44~58歳)、1980~1994年生まれの「Y世代」(年齢29~43歳)、1995~2009年生まれの「Z世代」(年齢14~28歳)の4つで占められている。なかでもX世代とY世代は、現時点で人口・総収入ともに、最も大きな世代となっている......

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◆世代・地域・新消費層別分析(1)
 ~2000年代生まれ「00後」世代も頭角現す 消費者研究から読み解く中国消費市場の未来

 新型コロナを抑え込む「ゼロコロナ」政策が緩和され、消費喚起へと大きく舵を切った中国。不動産投資や貿易に先行き不透明感が増すなか、中国経済は大きな転換期を迎えている。国連が公表した「2023年の世界経済情勢と展望」によると、2023年には、中国の経済成長率が前年比4.8%増に達すると見込まれている。外資系調査各社も概ね楽観的な予測を発表。英フィナンシャルタイムズと米シティバンクは共同で、2023年の中国消費品小売総額(小売高全体)が、前年比11%増の50兆元に達すると推算している...... 

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◆中国食品・飲料業界調査分析レポート(20)
 ~食品・飲料販売でいかに抖音(TikTok)を活用すべきか?

 中国人の消費アップグレードと健康意識の高まりに伴い、食品の栄養面や新鮮さ、多様なバランス、エコフレンドリー、安全性などに大きな注目が集まっている。オンラインチャネルの急成長は、食品・飲料市場の発展を支える大きな原動力となっている。メーカー各社も新しいオンラインの運営モデルを取り入れることで、事業成長の糸口をつかめるだろう。抖音(ドウイン・TikTok)など新興のECプラットフォームで商品を購入する人が増え、コンテンツを活用した販売手法も急成長している。各ユーザーの興味や趣味から消費に結びつける取り組みは、食品・飲料業界でも重要なマーケティングトレンドの1つとなっている...... 

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◆中国食品・飲料業界調査分析レポート(19)
 ~食品・飲料市場における今後の発展トレンド④~味のリニューアル

 ソーシャルメディアの人気に伴い、食に関するブロガーへの注目度も高まっている。彼らの「味」に対する豊富な表現力を活用することで、消費者の興味や消費欲を大きく刺激することも可能だろう。小紅書(RED)の「味」に関するキーワードを見ると、「軟糯感」(モチモチ感)、「厚感」(まろやかさ)、「爆漿感」(トロトロ感、中からじゅわっと出る感じ)、「気泡感」(シュワシュワ感)などが特に注目度の高いキーワードとなっている......

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◆中国食品・飲料業界調査分析レポート(18)
 ~食品・飲料市場における今後の発展トレンド③~気分のリニューアル

 ソーシャルメディアの普及により、各地の味に注目が集まっている。各地方独特の食材や調理法だけでなく、カルチャーを反映した「ご当地グルメ」が、2023年の大きなトレンドとなっている。天猫新品創新中心(TMIC)によると、広西チワン族自治区と四川省が特に高い注目を集めるエリアで、雲南省や広東省の人気も上昇しているという。また、乾燥肉を使ったスナックやご当地グルメのインスタント版なども人気を集めているようだ......

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◆中国食品・飲料業界調査分析レポート(17)
 ~食品・飲料市場における今後の発展トレンド②~シーンのリニューアル

 忙しい職場では、手軽に済ませる栄養バランスの悪い食事や、椅子に座り続けることなどが消費者の体調に悪影響を及ぼしている。腸内環境を整えるプロバイオティクスや過敏性腸炎などを予防するスナックが続々と発売され、乳酸菌入りクッキーや食物繊維入りキャンディーなどへの関心が高まっている..... 

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◆中国食品・飲料業界調査分析レポート(16)
 ~食品・飲料市場における今後の発展トレンド①~ 栄養・機能面のリニューアル

 漢方食材は食品への応用が大きく期待されるジャンルだ。これまではお茶や酒、スープなどに投入されることが多かった漢方食材だが、これを使ったスナックの人気も高まっている。枸杞(クコ)入りチョコレートや秋梨膏棒棒糖(梨のエキスを使ったロリポップキャンディーで、咳などに効く)、茯苓八珍糕(ブクリョウを使った菓子)などはその一例といえる......

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◆中国食品・飲料業界調査分析レポート(15)
 ~抖音(TikTok)で再生回数最多は生鮮食品 滋養・健康食品も急成長

 食品関連で最も再生回数が多いのは、生鮮食品関連となっている。視聴者は女性が多く、全体の約6割を占める。また31~50歳の中年層が約半数を占め、線級都市別では平均的に分散している。再生回数の多さは、高いコンバージョン(販売転換)にも直結。2022年には、チルドの肉・卵類、水産物、フルーツ・野菜などの取引額が、前年比でそれぞれ189%、132%、122%増加している......

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■新着統計データ一覧
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◆オンラインゲームのユーザー規模及び利用者の割合(2023年6月時点)
◆ライブ配信サービスのユーザー規模及び利用者の割合(2023年6月時点)
◆ネット動画のユーザー規模及び利用者の割合(2023年6月時点)
◆旅行予約アプリのユーザー規模及び利用者の割合(2023年6月時点)

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2023年9月号(vol. 107)発行

 会報誌2023年9月号(vol. 107)の巻頭特集では、中国版インスタグラムとも称される人気のSNS(ソーシャル)プラットフォーム「小紅書(RED)」を取り上げました。

 2013年の運営開始から10年のときを経て、当初の海外代理購入情報コミュニティから、より幅広い「種草」(ジョンツァオ)、つまり推しの商品をレコメンドする「シーディング(種まき)」コミュニティへと成長した小紅書。

 いまや検索エンジンやライフスタイル全般の“辞書”として、中国人の生活になくてはならない存在となりつつあります。多くの中国人にとって、何かを買う際に、まず小紅書アプリを開き、他人の評価やレコメンドをチェックすることが習慣化しているほどです。

 小紅書が公表したデータによると、ユーザーの90%が、買い物の前に小紅書で検索しているようです。ベビーからファッション、メイクなどのほか、旅の目的地や攻略法の研究にも活用。生活関連情報や結婚指輪、スイーツや料理のレシピも検索。小紅書の月次アクティブユーザー数は、現時点で3億2千万人に達しています。

 小紅書は、商品を消費者に知らしめる「種草」(ジョンツァオ)の場として、まず最初に名前の挙がるプラットフォームにもなっています。実は、2014年以降、小紅書も自社のEコマース部門の育成に取り組んでいるのですが、鳴かず飛ばずで、多くのユーザーが小紅書で種草(シーディング)されたのち、購入は外部のECプラットフォームに移動しているのが実状です。

 しかしながら、すでに多くの企業が、高い種草(シーディング)効果から、小紅書を重要なマーケティングツールの1つとして捉えています。電通の「2023小紅書投資意欲度調査」によると、企業の67%が今後、小紅書を活用したマーケティングにさらなる予算を投じると回答しています。

 2023年に入り、小紅書もライブコマースに注力。最近では人気女優の董潔(ドン・ジエ)や香港のインフルエンサーの章小蕙(テレサ・チュン)による「慢直播」(スローライブ)が話題を呼んでいます。

 このスローライブは、一般的なライブコマースのように声を張り上げて低価格で商品を叩き売りするスタイルと異なり、落ち着いたペースで生活を楽しむことを提案するのが特徴。両名のスローライブは、それぞれ7,000万元と5,000万元の取引高を記録。小紅書のスローライブ自体も各界から注目を集めるようになりました。

 Eコマースの取り組みを本格化している小紅書ですが、その強みと弱点はどこにあるのか?企業(ブランド)は今後、小紅書をいかに活用すべきか?また、小紅書のEコマースは今後どのように発展していきそうか?これら疑問について、今号で詳細に分析しています。

 次にトレンドウォッチでは、アフターコロナの社会現象から中国マーケティングを洞察しています。

 世界的にコロナの“悪夢”からほぼ解放された2023年。過去3年間のコロナ生活は、人々の生活や価値観に大きな影響を残しました。中国でも、不確実な将来に対する不安感から、常にリスクを意識するようになり、消費もより保守的になっています。

 老後の生活について早くから考え出す若者が急増。両親や親戚からより多くのサポートを得たいと考える若者も増えています。

 感情に対する価値観も変化しつつあります。感情面でのリスクや苦痛を減らすべく、親密な関係にも自身の立ち位置やニーズを明確にし、シーンごとの満足感を追求する人が増加。不確実性による不安感が増すなか、リアル、ネット問わず、多種多様な「社交」イベントやアクティビティが、そうしたはけ口の対象となっているようで、ときには若干過激なノリも人気を集めています。

 ここで一旦、中国でいう「社交」について説明しておきましょう。中国では知人、ネットで知り合った人、見知らぬ人問わず、何らかの繋がりで一緒に出かけたり、食事やスポーツなどアクティビティを共にしたりする行動(行為)を「社交」と呼びます。ちなみにSNS(ソーシャルサイト)のことも「社交」といいます。

 また、仕事と生活のバランスを重視する人が増え、古き良き時代が感じられるレトロな要素にも注目が集まっています。新しいテクノロジーにより、人々の生活も大きく変化。人工知能(AI)の普及に伴い、個人の生産性が拡大し、ヒトとアルゴリズムの関係も新たな段階に入りつつあります。

 中国調査会社の袤則諮詢(Maoze)は「2023大社交トレンド価値観調査研究」で、不確実性に直面した中国の人々は、価値観がより保守的になったが、一方で、徐々に正常さを取り戻しつつある日常のなか、社交を通して社会との結びつきを渇望していると主張しています。

 そこで今号では、アフターコロナの2023年に入り、中国で顕著となった注目すべき社会現象やトレンドをピックアップし、そのうえで、日本企業が中国での事業戦略やマーケティングを検討する際のインサイトを考察してみました。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その12)は、「前置倉庫」(ダークストア)型で急成長した叮咚(ディンドン)についてです。

 2016年に誕生して以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長し、中国ネットスーパー市場は盒馬(フーマー)の独壇場と思われていたなか、2019年に急に頭角を現しはじめたのが、「叮咚買菜」(ディンドン)です。

 ディンドンは中国で「前置倉庫」と呼ばれるダークストア型のネットスーパー。つまり店舗を持たず、小規模倉庫をなるべくユーザーの居住エリア近くにたくさん設置し、スマホアプリから届いた注文にスピーディーにデリバリー対応するモデルです。

 2017年4月に上海で運営をスタートしたディンドンは、フーマーの売上構成を徹底的に分析。 またイートインでの食事のために店舗を訪れる人が減ってきていることをつぶさに観察し、そこから “いいとこ取り”戦法を採用したのですが、その秘策とは…。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2023年9月号(vol. 107)  もくじ
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【巻頭特集】小紅書(RED)分析レポート
「慢直播」(スローライブ)でEC市場開拓なるか?
中国で最も影響力あるSNS「小紅書(RED)」を紐解く

【トレンドウォッチ】中国社会現象・トレンド分析レポート
経済・社会の不確実性に“備える”若者急増
アフターコロナの社会現象から中国マーケティングを洞察

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑫
フーマーの弱点を見抜いて一気に攻勢をかけた…
「前置倉庫」(ダークストア)型で急成長した叮咚(ディンドン)

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