中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


大きな発展の余地、中国のテレビショッピング市場
日系資本も参入、専門チャンネルが主体のTV通販
2012年6月13日
  最近いろんな場面で中国のテレビショッピング事情について教えてほしいという相談が届きます。特に通販をメインに事業展開されているクライアントは気になるところでしょう。

  中国テレビショッピング市場は年々成長しており、2011年の市場規模は455億人民元に達しました。統計によると、韓国、日本でのテレビショッピング消費額は社会消費品小売総額の10%、アメリカでは8%前後を占めていますが、中国はわずか1%以下だそうです。2020年までには中国テレビショッピング市場規模は5,000億人民元に達すると見込まれていますので、今後の発展の余地は大いにあるでしょう。

  中国のテレビショッピングの類型としては、日本同様に広告枠に出稿するモデルと、テレビショッピング専門チャンネルの2通りがありますが、前者は偽りありの誇大広告が多く、偽物や質の劣る商品が氾濫し、次第に下火になり始めています。一方、後者は「家庭電視購物頻道」とも称され、司会者による商品紹介をメインに人気を集め、より多くのテレビチャンネルが本格参入し始めています。

  業界大手は上海電視台と韓国大手通販のCJが設立した「東方CJ」、湖南衛視の「快楽購物」、江蘇省の「好享購物」が3強で、それぞれ2012年の売上は80億、40億、25億人民元でした。日本の大手商社も、昨年1月に三井物産がCCTVショッピング(北京市)に25%、伊藤忠商事は昨年8月に韓国ロッテグループと共同でテレビ通販大手のラッキーパイ(上海市)に約63%それぞれ出資しました。両社ともに中国でテレビ通販を行いたい日本企業にとって絶好の橋渡しになってくれることを期待したいと思います。

  ただテレビショッピングも沿岸部都市をターゲットにすると出稿や広告のための費用が高く設定されていますので、内陸の地方都市をターゲットにすることも一つの手だと思います。実際にある統計で、5大テレビショッピングチャンネルのテレビユーザー全体に対する平均カバー率を地域別に見ると、華北地域が39.4%でトップ、次が西南地区、東北地区、中南地区で、それぞれ10%以上と続き、上海などの華東地区と西北地区は意外と低くなっています。

  全国700近くの2級都市に2,000社あまりのテレビ局があり、1万近くの県城と町に1万社の有線テレビ局があるといわれています。テレビショッピング業界も今後は沿岸部の大都市ではなく、地方の中小都市を狙う戦略が迫られているといえるでしょう。

Copyright (C) CAST Consulting Co., Ltd. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
本資料に関する著作権は弊社又は弊社に所属する作成者に属するものであり、本資料の無断引用、無断変更、転写又は複写は固くお断りいたします。



このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop