中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


中国の「90後」は日本の「70後」?
自我と個性が強い「90後」が消費の主役に
2014年8月6日
 中国で注目される「90後(ジウリンホウ)」。1990年から99年生まれの世代を指します。この言葉から自分自身を振り返ってみました。

 1990年といえば私は高校1~2年生でした。地元広島の高校に通い、まだ受験勉強を本格化するには若干早すぎる時期。夏休みに地元のライオンズクラブ創設10周年の記念事業で、高校から選抜された10名の1人に選ばれ、台湾・台南で3週間ホームステイをしました。

 その90年に生まれた子供は、今や24歳。社会人となり、経済的に自立し、自分の欲しいものは自分が稼いだお金で買える年齢です。中国ではこの90後が消費やライフスタイル、価値観などを共有する消費者グループとして、しばしば企業のマーケティングなどの研究材料とされています。会報誌の最新号(14年7月&8月合併号)でも取り上げました。昨年7月号に続いてのトピックですが、今回は上海に住む90後で、学生と社会人それぞれ男女8名に対してフォーカスグループインタビューを行いました。

 90後はよく「自我」と「個性」が強いと表現されます。周りに流されることなく、自分がこれと思うモノはお金に糸目をつけず手に入れます。また、ブランド品にこだわらず、誰も持っていない「酷(クール)」な自分だけの一品を求める傾向にあります。

 私は常々この90後は日本の「70後」、つまり自分を含む1970年代生まれの世代に似ているのではと見ています。70後といえば、ちょうどバブル崩壊後に社会に出た世代。前世代の華やかで豪奢な消費や社会現象を思春期の多感な時代に眺めながら、いざ自分たちの番になった時には梯子を一気に外されたように「失われた20年」へと続く不景気と就職氷河期が襲いました。我々世代は自らというよりも、社会(世間)から堅実に倹約な生活を送るよう強制されたような感があります。

 今の中国もそういう意味では同じような状況にあるのではないでしょうか。毎年10%を超える高度成長が終わり、不動産価格の下落や倹約令による接待自粛など、彼らも同様に世間から「倹約」を強いられているような気がします。

 しかしそうは言っても、我々とは20年も離れている世代。携帯すらなかった学生時代を過ごした我々とは明らかに価値観やライフスタイルは違うでしょう。今回のグルインもそうした目線で見ていただくのも一興ではと思います。


このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop