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健康とエコにも優しいシェア自転車「モーバイク(摩拝単車)」(1)
中国シェアリング・エコノミーの新星誕生
2017年1月10日
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モーバイクの利用は空き自転車のQRコードを読み込むのみ
  2016年4月末頃から、おしゃれなオレンジ色の自転車が上海の街のあちこちで見られるようになった。道端に整然と並んでいるが、特に管理する人もいなければ、公共自転車専用の置き場に置かれているわけでもない。その自転車に乗ってさっそうと駆け抜けていく上海っ子の姿も度々目にするようになった。目の覚めるようなオレンジ色は新しい街の顔として、気づけば見慣れた風景として馴染んでいる。

  このスマートロック機能付き自転車は「モーバイク(摩拝単車:mobike)」だ。従来の公共自転車と異なり、あらかじめ乗車カードを申請する必要はなく、決められた返却場所や施錠専用の自転車置き場も存在しない。まずは、スマートフォン(スマホ)上でアプリをダウンロードし、ユーザー登録を行う。そのうえで、自転車本体に貼られているQRコードを読み込むだけで、好きな時間と場所で自転車をレンタルできる仕組みだ。

  モーバイクは現在中国で急拡大するシェアリング・エコノミーの新星といえる。配車アプリの「滴滴・快車」や「ウーバー」に続き、上海や北京等の大都市で最も人気を集めている外出アプリで、ほんの数ヶ月で上海や北京の街を席巻。更に多くの新規車両が投入されたばかりでなく、広州等の他都市でも導入がスタートしている。便利でエコロジー、おまけに見た目もおしゃれなのが大きな特徴だ。

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中国政府は積極的に中国全土にスマート自転車システムを導入
  レンタサイクルは、元々中国政府が07年に北京でスマート自転車システムの導入方針を打ち出し、08年の北京オリンピックの開幕時に正式運営をスタートしているのが始まり。その後、杭州、武漢、上海、西安、寧波、太原、南京等の都市でも導入された。しかしながら、その多くは政府主導のシステムであったこと、また車両数に限界があったこと、事前に乗車カードを申請しなければならなかったこと、規定の停車場所に返却しなければならないことなどの制約により、一般市民の日常のライフスタイルとして普及しなかった。こうした制約から解放されたモーバイクは、どこでも借りたり返したりすることが可能で、手続きもアプリをダウンロードするのみ。利便性と実用性は大幅にアップした。(続)

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