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【第376回】 2022年の北京冬季五輪に向け成長期待
盛り上がり始めたウィンタースポーツ
2019年7月10日
 会報誌6月号では、中国のウィンタースポーツ市場を取り上げました。2022年の冬季オリンピックの会場が北京に決まって以来、国内外の様々な業界から、中国でのウィンタースポーツの盛り上がりに熱視線が送られています。

 上海に住み始めてからもうすぐ15年になりますが、これまで冬に雪が降るのは年に1~2回程度。国内でどこかスキーに行こうと思うこともなければ、そもそもどこにスキー場があるのかすらわかりません。

 中国で初のスキー体験をしたのは、最北端の黒竜江省の省都・ハルビン。それも上海では連日最高気温が40℃超えだった夏真っ盛りの頃。ちょうどオープンしたばかりの万達(ワンダ)広場モールに隣接された世界最大級の室内スキー場でした。

 その様子については下記のメルマガでレポートしているのですが、正直その際にスキーやスノーボード(スノボー)熱の盛り上がりはほとんど感じられませんでした。真夏にスキーということで “涼む”ことが目的の客も多いかと思いきや、それほどでもなく、かつほとんどの客がレンタルのウェアと用具。日本のようにカラフルなウェアを来ている人はほとんど見かけません。

【第299回】 本格的な施設、上質な雪は高評価
ハルビンの屋内スキー場体験談
(2017年12月6日掲載)

 もちろん、平日の午後だったこと。さらに冬場のスキー場を見ていないのでなんとも言えませんが、こんな状況で北京オリンピックは大丈夫だろうかと心配さえしました。

 そうした中、今年の春先に上海でたまたま訪れた新規オープンのモールで目にしたのがスキースクールの看板。もしかしてここにも室内スキー場が……と向かったところ、そこには巨大なスロープの設備のみ。まるで“ルームランナー”のような床が回転する構造で、その上をインスタラクターが滑っています。

 「SNOW51」というスキースクールのテナント出店だったのですが、その後、別のモールでも同じようなスクールを発見。もしや知らない間に市場が盛り上がっているのではと思い、いざ調べてみると、なんとスキー人口は18年末で2113万人、室内のユーザーですら58万人に上るそうです。北京オリンピックに向けてますます拡大しそうな中国ウィンタースポーツ市場。日本企業もこの絶好の商機をウォッチしておくべきでしょう。 
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