35歳以下の新中間層の家庭で第二子を欲しがる比率が高い
■科学的子育てを重視 第二子への迷い
新中間層は、子供の教育に関して多くの問題を抱えている。
最も多いのは、仕事が忙しく、子供と過ごす時間が足りないこと。中国の新中間家庭の多くは共働きで、子供の成長期が働き盛りと重なっている。このため仕事と家庭のバランスに苦心している家庭が多いようだ。(図6:新中間層 年齢別子育ての問題点)
仕事で1日中子供に付き添うことができなくても、「85後」、「90後」世代の新中間層は、ツールや知識プラットフォームを上手く活用している。
「知乎」などの総合知識プラットフォームを利用している家庭もあるが 、妊娠の準備段階から育児専門サービスのアプリを使用しているケースも少なくない。若い夫婦は、これら情報プラットフォームを活用して、育児に関する専門的かつ科学的な知識を仕入れている。
母親が育児の多くを担うのが従来のパターンだが、若い新中間層にとって育児は母親だけの仕事ではない。呉暁波頻道(チャンネル)のレポート「2019新中産白書」によると、父親が育児に参加する割合も全体の26%に達しているもよう。
ベビー・マタニティ関連消費については、母親が消費の大きな主導権を握っている。紙おむつ、粉ミルク、ベビーフードなどのベビー・マタニティ類製品のほか、母親自身のスキンケア、シェイプアップ、口腔ケア用製品も高い支持を得ている。
第二子について悩みを抱える新中間層は少なくない 。35~40歳のすでに第一子を持つ家庭の多くが第二子をすでにあきらめている。35歳以下の第一子のいる家庭や子供のいない既婚家庭で、子供が欲しいと回答した割合も全体の約四分の一にとどまり、迷っていると答えた家庭が4割近くに達した。(図7:新中産家庭の第二子への態度)
第二子を生まない主な理由は、時間的・精力的に余裕がない、経済的負担が大きい、もう高齢等の理由で「優生優育」(※より良く産んで、より良く育てるの意)ができない、出産が大変、1人の子供を大事に育てたいなどだった。
■新しい“家族”の加入 ペットを飼う世帯が急増
新中間層家庭のもう1つの大きな特徴がペットだ。ペットを飼う新中間層家庭が増えている。
呉暁波頻道(チャンネル)の調査によると、ペットを飼う家庭は2016年には14.3%に過ぎなかったが、19年には20.4%に増加。その伸び率は42.6%に達している。ペットを飼う家庭は、都市部ほど多く、大都市ほど多い傾向にある。
世代別で見ると、「80後」世代はペットを最も好まない世代だ。彼らは生活の負担が最も大きい世代であり、高齢者や子供の世話に追われている。ペットを飼う精神的、物理的余裕が最もない世代といえる。
一方、ペットを飼う割合が最も高いのが「70後」世代だ。彼らは仕事で一定の成果を挙げ、気力も充分にある。子供はすでに手を離れ、余暇も多い。ペットは心のスキマを埋める絶好の友(家族)となってくれる。
総合知識プラットフォームの知乎
ペットを飼う新中間層家庭が増えている。
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