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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第371回】 道路新設や激しい渋滞が背景に
中国でスマホカーナビが人気のワケ
2019年6月5日
中国ではスマホのカーナビが当たり前
中国ではスマホのカーナビが当たり前
 中国では、いわゆる「車載カーナビ」が全くと言っていいほど普及しませんでした。以前から高級車を中心に標準装備されていながらも、です。私が運転免許証を取得した2009年頃は、カーナビなしが当たり前。何年前に発行(更新)されたかもわからない古い地図とにらめっこしながら悪戦苦闘でした。

 目的地までのルートを携帯電話の音声とショートメッセージで送ってくれる通信会社のサービスもありましたが、地方都市では高速道路から下りると決まって出口周辺に「帯路」(※道案内)という看板を持った地元民がオートバイで待ち構えていました。

 そうした中、スマートフォン(スマホ)の地図(カーナビ)アプリを使いはじめたのが2013年頃。地図アプリ2強の百度(バイドゥ)系「百度地図」が13年に、アリババ系「高徳地図」が14年にそれぞれ運営を開始。ちょうど中国で3G通信網が普及しはじめた頃でもあります。

 当初は安徽省の省都・合肥など地方都市で運転していた際に、不安定な通信環境により、肝心の車線変更時にフリーズして通り過ぎてしまうといった苦い経験もありますが、中国では今やほとんど全てのドライバーがスマホの地図アプリを利用していると言っても過言ではないでしょう。

 なぜスマホのカーナビアプリだったのか。その理由として、当時、中国全土到るところで新しい道路が続々と誕生(変更)し、常に最新の情報へのアップデートが必要だったことが挙げられます。高速道路も四方八方に延び、主要都市の市中心部は地下鉄工事などによる通行止めが日常茶飯事です。このほか、通勤ピーク時の渋滞が著しい大都市などで、通信網に常時接続されたスマホならではのリアルタイム通知と回避ルートの提示が重宝されたこともあり、スマホ版のカーナビが多くのドライバーの心を鷲掴みにしました。

 今や上海でも、タクシーのベテラン運転手でさえ、乗車すると「導航(ナビ)でOKか」と聞かれるほど。渋滞回避だけでなく、遠回りして不当請求だとのクレーム防止も目的としているのでしょう。私自身も行き先へのルートは完全に頭に入っていても、渋滞などの情報を得るために毎回地図アプリを利用。こうして多くの交通情報やデータが百度とアリババに収集・蓄積されているのです。
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