【第392回】アパレルは「イージーオーダー」の時代に

自宅で採寸！！オーダースーツアプリを体験

2019年10月30日更新

　皆さんはビジネススーツを

オーダースーツアプリ「衣邦人」のエレベーター広告

どこで購入されていますか？デパートやブランド専門店、オーダーメイド？私は基本既成品で済ませていますが、一度だけ、上海でオーダースーツを作ったことがあります。それは10年ほど前に御殿場のアウトレットで気に入ったスーツを見つけ、試着したところ、お腹周りが太り過ぎで、標準サイズが合わなかったから。その時にダイエットを決心した記憶があります。

　今でこそ、標準サイズで購入できるようになりましたが、ゼニアなど高級生地でオーダースーツを着たいというどこか“憧れ”みたないものがあります。一方、本格的に仕立てようとすると、採寸のために一度、さらに仮縫いの段階でもう一度お店に行く必要があります。これがどうしても億劫になり、つい既成品に走ってしまいます。

　そうした中、今年の年初ごろに自宅マンションのエレベーターで見かけた広告。それはなんと自宅まで採寸スタッフがお伺いするという新興アプリ「衣邦人」でした。早速QRコードで読み込み、関注（フォロー）したところ、その後続々と微信（ウィーチャット）の朋友圏（モーメンツ）にその広告が出没し始めます。

　ちょうどスーツもそろそろ買い替え時でしたし、ネタ的にも面白いと思い、スマホから注文。すぐに電話がかかり訪問日時を確認。自宅にスタッフが到着し、まずは生地のサンプル本から好みの生地を選択。普段のスーツ姿で、採寸しながら、どんなデザインやシルエットにするか話し合います。

　手縫いではなく、工場で縫製されるとのこと。2週間程度で宅配され、十分満足の行く仕上がり。着心地もさすが事前に採寸されているだけに、身体にフィットしています。そして驚くのが値段。初回キャンペーンで割引もされていたのですが、なんと2000元ちょっとでした。

　会報誌10月号で取り上げた中国のオーダー服市場。2013年から年平均20％強で成長、20年には2000億元になるとされています。近年はこうしたアプリと連動した「イージーオーダー」アプリが続々と登場し、ベンチャー市場でも注目の的に。14年末設立の衣邦人もすでに顧客数が100万人を超え、リピート率も50％とのこと。

　スーツだけでなくシャツやカジュアル、スポーツへとジャンルを広げる中、個性を重んじ、あまりブランドにこだわらない中国の若者の趣向にもマッチするでしょう。「鎌倉シャツ」がまもなく上海にオープンしますが、こうしたトレンドとどう向き合うのか、注目です。

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