【第50回】 ECパッケージでシェア70％の中国企業とは？

ECサイトを一元管理、ニーズ高まるソフトベンダー

2012年12月12日更新

ShopEx総裁の李鐘偉氏

　先週、上海で富士ソフト主催の「中国ECビジネスセミナー」が開かれ、パネラーとしてディスカッションに参加してきました。このセミナーのもう一方の主催者は富士ソフトとともに上海商派網路科技（ShopEx）という中国ECパッケージ最大手のソフトベンダー会社で、両社が提携して日系企業向けに中国ECソリューションを提供するという趣旨のセミナーでした。

　私が参加したパネルディスカッションには、両社のほかに、B2C最大手の天猫（Tmall）、ソーシャルメディア最大手の新浪微博（ウェイボー）など中国のネット業界を代表する企業の方々が登壇し、直近11月11日（独身の日）のネット通販の一大セールスイベントを中心に、中国ECの盛り上がりについて議論しました。

　さて、そこでShopExですが、淘宝（タオバオ）や京東（360Buy）などの大手モールの陰に隠れながら、中国ECパッケージ販売市場シェアの実に70%を占め、特にパソコン大手のレノボやスポーツ用品大手のLI-NING（李寧）など年商1億元を超えるECサイトの80%が同社のパッケージソフトを利用しているとのこと。

　中国ECといえば、淘宝がB2C及びC2Cともに圧倒的なシェアを誇り、基本的には彼らのプラットフォームに乗っかってシステムを構築（ショップを運用）するのが通例で、日本のように自社サイトを構築（運営）するケースはあまり多くないのですが、そういったニーズに対応するパッケージをASP的に安価で提供しています。

　ShopExが特に優れているのは、自社サイトだけでなく、淘宝、QQ商城、京東、アマゾン、1号店など大手モールで展開しているショップサイトを一元管理できるパッケージソフトを提供していることで、これにより受発注、在庫、販売チャネル、財務、コールセンター、マーケティングなどを同じシステム上で一括管理ができるそうです。また4億人を超えるユーザーを擁する新浪微博とも連動したシステムもあり、自社サイトへ潜在顧客を発掘して誘導するマーケティングツールも提供しています。

　このように至れり尽くせりのECサービスを提供するShopExは2002年の設立以来、わずか10年で社員は1,000名を超え、中国EC業界を代表する企業となりました。その急成長を先頭で引っ張るのが総裁の李鐘偉氏。行け行けドンドンのIT企業トップの方かと思いきや、何度かセミナーや食事会でご一緒させていただく機会がありましたが、実に実直で堅実な方です。誰にでも真摯に耳を傾け、丁寧に受け答えする李氏の様子を見ていると、ShopExは今後も着実に成長を続けていくであろうと確信しました。

A4サイズで印刷

Copyright (C) CastGlobal Consulting Co., Ltd. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.
本資料に関する著作権は弊社又は弊社に所属する作成者に属するものであり、
本資料の無断引用、無断変更、転写又は複写は固くお断りいたします。

前ページへ戻る