会報誌2015年12月号(vol.30)では、巻頭特集に「インバウンド消費」を取り上げました。
15年には日本で流行語になるほど話題となった「インバウンド」や「爆買い」。その主な担い手は中国からの旅行者であることは周知の事実です。日本では「インバウンド」需要をいかに取り込むかが、観光や広告、ネット業界で、15年前半のメイントピックになり、全国津々浦々、セミナーや勉強会などが開催されました。
しかし同年初夏の上海株暴落や景気減速を背景に、インバウンド消費の勢いが鈍化するのではという懸念の声も出始めるなか、あえてこのタイミングで改めてこのテーマに取り組むことにしたのですが、その理由は?
インバウンド消費を担う中国からの訪日旅行者だけでなく、「哈日(日本好き)」の言葉を産み、2300万の人口ながら数百万の訪日旅行者を送り出す台湾からの旅行者にも、日本観光やインバウンド、さらには越境ネット通販に至る様々なトピックについてインタビューを行いました。
彼らへのインタビューを通して、「インバウンド消費」の深層に迫りながら、今後の展開についての洞察を、さらには日本から「アウトバウンド」で中国や台湾の消費者に対して打って出ていけるうえでのヒントが得られればとの思いで分析・レポートしています。
次に、上海株暴落と同じタイミングで上海市内で一気に店舗網を拡大した不動産仲介業者の「鏈家(Lianjia)」について「企業分析」を行いました。
株同様に不動産市況も低迷しているはずの上海。不動産業者も軒並み閉店しているなか、街中を歩いていると緑色の看板で洗練された内装の同店が目立つようになりました。場所によっては100メートルほどの通りに3軒も隣接するほどの密集度。ある意味、異様なほどの急速な店舗拡大ですが、果たして、その裏にはどのような背景や戦略があるのか。
そもそも不動産市場が盛り上がりに欠けているのが一般的な見解であるなか、その流れと逆行してなぜそこまで店舗網の拡大が可能なのか…。そうした疑問について、デスクリサーチを中心に分析しています。
最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は上海と海南省・省都の海口で出くわした光景や出来事、3つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。
そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。
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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.30(2015年12月号) もくじ
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【巻頭特集】
『インバウンド消費の深層に迫る』
訪日旅行者インタビュー
【企業分析】中国ビジネス最前線
『仲介から金融まで多角化、マルチ不動産企業「鏈家(Lianjia)」』
株式低迷とともに一気に店舗網を拡大
【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『撤退したはずの「ベストバイ」の店舗が…!!』
『「二人っ子」家庭続出か!!』
『真冬に捕れたての魚介類を屋外で楽しむ海口の夜!!』
【都市別調査】厦門 編 ~その2
『「台湾地区ブランド」としてのモスバーガー』