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月刊会報誌『中国消費洞察』

2020年9月号 (vol. 77)

月刊会報誌『中国消費洞察』2020年9月号 (vol. 77)
【巻頭特集】中国「新中間層」調査分析レポート
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 会報誌2020年9月号(vol.77)では、巻頭特集で中国消費の今後の主力となる1995年以降生まれの「Z世代」とともに、もう一つの新興消費者層として注目を集める「新中産層(新中間層)」に着目します。

 世界最大規模の中産階級(中間)層人口を誇る中国。中間層とは、社会成層の資本家階級(支配層)と労働者階級(被支配層)との中間に位置する階層のことを指します。

 マルクス主義は中間層を「旧中間層 (中小企業主、商人、自営農民などの伝統的生産手段所有者層) 」と「新中間層 (技術者、管理職など生産手段をもたない層)」とに分けますが、この場合の旧中間層を「中産階級」と呼ぶこともあります。

 一方、生活水準や生活様式において中間の層とされる「中流階級」に対して、中間階級は支配=被支配の政治・社会関係における中間の層を意味します。

 中国では、消費者やマーケティングの観察・分析をする際に、こうした解釈をベースに「中産階級」とひとまとめにすることが多いのですが、今号では特に昨今の中国社会・経済の変化に相応した“新しい”価値観やライフスタイル、消費行動を取る「新中間層」にスポットライトを当てました。

 大手コンサルティング会社のマッキンゼーは、レポート「2020年 中国消費者調査報告」で、中国国内の中間層(中レベル所得層)の数は3億人超と試算。その数は現在も増え続けており、2025年には5億人を超えて、都市部人口の半数以上を占めると予想。可処分所得は総額13.5兆元に達するとも見込んでいます。

 中国経済の発展と社会の進化に伴い、中間層の定義にも変化が見られます。かつて中間層の定義といえば、資産や学歴、職業が主な基準でしたが、「新」中間層の特徴は、その価値観にあるようです。

 新中間層とは、個人年収10万元以上または世帯年収20万元以上で、大学かそれに準ずる学歴を有し、安定した生活基盤を備え、独自の価値観や積極的な生活態度、開放的な消費観を持つ層といった定義もあります。より進歩的な消費観を持つ「新中間層」の規模拡大が続く中、彼らの消費行動が今後中国経済の発展に大きな影響を及ぼすと予想されています。

 そこで、今号では中国の新中間層のライフスタイル、仕事観、家庭・社会関係、子育て、消費観・行動などについて解説。また「都市ホワイトカラー層」、「若手エリート層」、「中堅エリート層」、「地方の新興富裕層」の4グループに分けて分析した上で、新中間層をターゲットとしたマーケティング戦略について、7つの提言をしています。

 次に業界研究として、新型コロナウイルスの流行でさらに関心が高まった中国の健康産業についてです。

 経済の発展と生活水準の向上に伴い、中国国民の健康意識はここ数年大きな高まりを見せていました。それが今年に入って新型コロナウイルスが流行。人々の健康に対する注目度はさらに上昇し、今や最も関心を集めるテーマの一つとなっています。

 医療アプリの丁香医生が公表したレポート「2019国民健康洞察報告」によると、ヒアリング対象者の93%が、生活で最も重視する要素は「健康」と回答。幸せな家庭や心の健康、生活の享受、財産、仕事の満足度などを上回っています。

 医療・健康関連支出も増加の傾向にあります。国家統計局によると、2019年の1人当りの医療・健康関連支出は1,902元で、前年比12.9%増を記録。教育・文化・娯楽と並び、最も成長著しい分野となっているもよう。欧米や日本などと比べるとまだ低い水準ですが、収入の増加や健康意識の高まりで、健康関連消費は今後も増加していくと見込まれています。

 中国調査会社のiiMedia Research(艾媒諮詢)が公表したレポート「2019-2020中国健康食品業界研究報告」によると、消費者に最も人気の健康法トップ3は、食事療法、栄養補助サプリ、スポーツ・トレーニングの順で、それぞれ57.8%、48.6%、35.3%でした。

 そこで今号では、中国消費者が関心を寄せるスポーツ・トレーニング事情と健康食品の消費状況について、それぞれ調査・分析を試みました。前者について、中国政府によるスポーツ産業振興策とともに、コロナで広がったデジタル化の影響、中国人のスポーツに対する考え方や姿勢、新しいトレンドなどについて解説。

 また後者の健康食品については、販売チャネルや越境ECの状況、マイナーブランドの躍進、Z世代など若い世代含む消費者の健康や身体に関する悩みや嗜好に応じた売れ筋商品や成分、日本製商品の状況、トレーニング向けサプリ、中国の伝統的な健康観念の「養生」ブーム、医療機器との連動、「国潮(愛国消費)」ブームを背景とした漢方薬材人気の高まりなどについてレポートしています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2020年9月号(vol.77)  もくじ
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