中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!
月刊会報誌『中国消費洞察』

2024年3月号 (vol. 112)

月刊会報誌『中国消費洞察』2024年3月号 (vol. 112)
 会報誌2024年3月号(vol. 112)の巻頭特集では、「反向消費」(リバース消費)と「消費降級」が顕著となる2024年の中国マーケティングトレンドを洞察しました。

 2023年、新型コロナウイルスの流行は収束したものの、世界経済は期待されたほどの急回復には至りませんでした。市場はより複雑化し、チャレンジングな局面も増えました。

 国際通貨基金(IMF)が公表した「世界経済展望報告」によると、世界経済の成長は、2022年の前年比3.5%増から、2023年には3%増に減速。2000年から2019年の平均値である3.8%増も下回りました。2024年の成長率は、さらに低い2.9%増程度に落ち込むと見込まれています。

 米証券会社チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)は、2024年以降、世界経済は2008年から2009年と2020年のV字型(急回復)とは異なる、緩やかなU字型の回復を辿ると予想。つまり経済は低成長時代に入ったことを意味しています。

 中国でも、2023年には「報復性」(リベンジ)消費が期待されましたが、実際はそれほど際立った現象には至りませんでした。

 その一方で、ブランドを盲目的に追求せず、品質や個性、サステナビリティ重視など、より理性的な「反向消費」(リバース消費)がトレンドとなり、消費降級(ダウングレード)傾向が顕著に見られました。

 チャットGPTの登場による人工知能(AI)ブームは、人々の仕事や生活環境を大きく変えつつあります。

 AIは、英コリンズ英語辞典が選ぶ2023年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」にも選出されるなど、今後の新たな技術革新の牽引役として期待されています。

 低成長の時代となり、マーケティングの世界でも「縮小」がテーマとなっています。

 慎重さや精細さが重視されるほか、AIGC(AIが生成するコンテンツ)の注目度が上昇。AIGCは低コストかつ高効率での制作が可能であることから、企業の新たなマーケティング手段として定着しつつあります。

 そこで今号では、企業、消費、テクノロジー、KOL(インフルエンサー)などの側面から、2024年の中国マーケティングトレンドを読み解いてみました。

 次に中国人のスマホアプリ利用状況から、中国消費トレンドを読み解きました。

 中国インターネット情報センター(CNNIC)が公表した「第53回中国インターネット発展状況統計報告」によると、2023年12月時点の中国ネットユーザー数は10億9,200万人で、前年同期比で2,480万人増えています。

 中国のインターネット普及率は77.5%で、農村部の普及率も66.5%に達しています。

 中国の調査会社iResearch(艾瑞諮詢)が公表した「2023年中国モバイルトラフィック年度報告」によると、2023年12月時点の中国モバイル通信のMUD(マンスリー・ユニーク・デバイス)数は13億300万個、ネットユーザーの1日平均利用時間は271.7分、1日平均利用回数は64.2回となっています。

 また中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、2023年12月時点の中国EC(電子商取引)ユーザー数はすでに9億人を超え、11年連続で世界一となっています。

 オンライン動画ユーザー数は10億6,700万人で、ネットユーザー全体の97.7%に達しています。

 オンライン旅行予約アプリと配車アプリのユーザー数は、それぞれ5億900万人と5億2,800万人で、ユーザー全体の46.6%と48.3%に達しています。またユーザー数は前年同期比で約1億人増加しており、成長の最も著しいジャンルとなりました。

 生成系AI(人工智能)は、2023年にインターネット業界で最も注目を集めたジャンルの一つ。インスタントメッセンジャー、検索エンジン、オンライン教育、自動運転など多くの業界が積極的に開発に取り組んでおり、それに伴って多くのアプリケーションが誕生しました。

 中国ネットユーザーが実際にどのようなアプリを利用しているのか?それらのアプリは日々の生活にどのような影響をもたらしているのか?今号で改めて、アプリの利用状況を整理、分析しました。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その17)は、無人コンビニ、オフィスコンビニに続き、中国のコンビニ市場に新たな業態として登場した「車載コンビニ」についてです。

 杭州市出租車集団(タクシーグループ)と提携し、2018年1月10日から車載型のコンビニ「魔急便(Mobile Go)」の運営をスタートした北京小桔便利科技発展有限公司。

  魔急便は、車内に置かれたスナックや飲料を手に取り、商品上のバーコードをスキャンして、スマホ決済で支払いをするシンプルなモデルでした。

 販売商品は、牛乳やパン、ビーフジャーキー、ビスケット、飲料などの軽食類が主体。陳列ボックスの位置は、運転席と助手席の間や、運転席の後ろに掛けられたラックの中などとなっていましたが…。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2024年3月号(vol. 112)  もくじ
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【巻頭特集】2024年中国マーケティングトレンド洞察
2024年の中国マーケティングはどこに向かう?
「反向消費」(リバース消費)と「消費降級」が顕著に

【業界研究】中国アプリ利用状況分析レポート
アプリが中国消費の実態を映し出す“鏡”? 
アプリ利用状況から中国消費トレンドを読み解く

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活⑰
下校時の子供の空腹ニーズを満たす?
タクシーすら“売り場”にしてしまう「車載コンビニ」


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