中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!
月刊会報誌『中国消費洞察』

2022年11月号 (vol. 99)

月刊会報誌『中国消費洞察』2022年11月号 (vol. 99)
【巻頭特集】中国ペット市場調査分析レポート
【巻頭特集】中国ペット市場調査分析レポート
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ペット関連用品・サービスの多様化進む ペットの家族化で拡大する中国ペット市場
【消費者研究】中国「新青年」世代調査分析レポート
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Y世代 vs Z世代の消費観を大解剖 中国消費市場を牽引する「新青年」消費者層
【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活④
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自転車は所有からシェアが当たり前に? 地方都市では電動バイクのシェア自転車も登場
 会報誌2022年11月号(vol. 99)の巻頭特集では、ペットの家族化で拡大する中国ペット市場を特集しました。所得水準と消費力の向上に伴い、ペット関連の消費市場が急成長するなか、ペットエコノミーに対する注目度が高まっています。

 核家族化とともに、1人暮らしも増加。中国で「孤独経済」と称されるロンリーエコノミーの広がりを背景に、パートナーとしての価値が急上昇。単身者にとってペットは精神的な拠りどころで、癒しを求める大切な存在となっています。

 新型コロナの影響で、ペットと自宅で過ごす時間が増加。自らの健康だけでなく、ペットの健康状態や居住環境の衛生面も重視する人が増えつつあり、ペット業界でも健康や専門性を意識するトレンドが顕著となっています。

 また中国消費市場で存在感を増す若い世代が、ペット消費でも主力層へと成長するなか、用品やサービスに多様化や個性化(パーソナライズ)を求める声が高まっています。

 2020年には新型コロナ感染拡大により、多くのリアル業態のペットショップが閉店に追い込まれたなか、2021年にはペット市場規模とペット1匹あたりの消費額はともに急回復。Pethadoop(派読)の「2021年中国ペット業界白書」によると、2021年の中国ペット市場規模は前年比20.4%の2,490億元となりました。また2021年にネコの飼育数が5,806万匹となり、5,429万匹のイヌを初めて上回りました。

 ペット市場の内訳はペットフードが51.5%でトップ。その後、ペット医療、ペット用品、その他がそれぞれ29.2%、12.8%、6.5%で続いています。2019年から2021年にかけて、ペットフードのシェアは61.4%から51.5%へと10%近く減少しているのに対し、医療費が19%から29.2%へと約10%シェアを増やしている点に注目です。

 2021年にイヌまたはネコの飼い主の合計人数が前年比8.4%増え、6,844万人に達しました。しかしながら中国のペット普及率はわずか22%のみ。アメリカの67%やオーストラリアの62%、イギリスの44%を大きく下回っています。今後、その数はさらに増えることが予想され、ペット関連市場も大きく発展する潜在性を秘めているといえるでしょう。

 この潜在性を秘めた中国ペット市場について、市場概況から飼い主のイメージ像、若者のペット観やペット関連消費の実態、ペット用品の購入及び情報収集チャネル、ペット業界の消費トレンド、マーケティング事例など、豊富なデータ・グラフを活用しながら実態に迫りました。

 次に消費者研究として、中国消費市場を牽引する「新青年」を取り上げました。

 中国で近年、消費市場の中心的存在となりつつある「Y世代」や「Z世代」と呼ばれる若年層。通常、Y世代とは1980年から1994年に生まれた世代で、Z世代はそれに続く1995年から2009年生まれの世代と定義されますが、中国ではこの2つのジェネレーションをまとめて「新青年」と称しています。

 新青年はさらに「80後」(1980年から84年生まれ)、「85後」(1985年から89年生まれ)、「90後」(1990年から94年生まれ)、「95後」(1995年から99年生まれ)、「00後」(2000年から2004年生まれ)、そして「05後」(2005年以降生まれ)の6つに細分化されます。

 現在「80後」世代の多くはすでに家庭を持ち、社会の中堅層として活躍。「90後」世代も社会人となり、家庭を持ち始める年頃でしょう。「00後」や「05後」世代の多くはまだ学生ですが、社交や新しいモノを重視する彼らは、消費市場に新たな活力を生み続けています。

 各世代が人生のそれぞれ異なる段階にあり、それぞれの悩みを抱えています。卒業と就職、結婚、新居やクルマの購入、出産など、忙しなく続く“社会時計”は、企業にとってみれば、彼らにアクセスする大きな契機といえるでしょう。

 Y世代の人口は約3億1,500万人、Z世代は2億2,300万人存在し、両者を合わせると中国総人口の38.8%を占めています。男女比率は51.7:48.3でほぼ同じ。ただしZ世代に限って見ると、男性が53.4%と女性よりやや多くなっています。

 各世代の人口全体に1人当たりの平均消費額を掛けて算出した消費規模は、Y世代が6兆6,800億元、Z世代は4兆9,400億元となります。規模的に、消費の主力はY世代といえますが、Z世代も成長中で、消費力は高まり続けています。彼らは今後徐々に消費の主力層となり、消費市場への影響力を強めていきそうです。

 華興資本(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)は「中国創新経済報告2021」で、中国Z世代の消費規模は、2035年に現在の4倍で16兆元に達すると見込んでいます。彼らはまさに、今後の消費市場成長のカギを握っているといえるでしょう。

 新青年層が消費の主力層に成長するのに伴い、いかに彼らのニーズを把握し、市場を正確にポジショニングして、より多くの新青年層にアピールするかが、事業運営に欠かせない戦略となりつつあります。そこで今号では、新青年の性格や消費の特徴、Y世代とZ世代の違い、彼らをターゲットにしたマーケティング戦略について分析しています。

 あの頃の中国ビジネス&生活(その4)では、シェア自転車の続きについて。過度な競争により、一度は街角から一掃されたシェア自転車。一方で自転車は、自分で購入するものから、シェアすればいいという概念が中国人に埋め込まれたのも事実です。

 そうしたなか、2018年頃から徐々に新たなプレーヤーが各地の街角を占拠しはじめるようになりましたが、はたしてどんなプレーヤーが?湖北省・襄陽で見かけた電動バイク版のシェア自転車の体験談と合わせてお届けしています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年11月号(vol. 99)  もくじ
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