中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!
月刊会報誌『中国消費洞察』

2016年4月号 (vol. 33)

月刊会報誌『中国消費洞察』2016年4月号 (vol. 33)
 会報誌2016年4月号(vol.33)では、巻頭特集に最近中国で人気と話題を集めるショッピングモール「大悦城(JOY CITY)」を取り上げました。

 15年12月に巨大な観覧車が屋上に設置された上海大悦城2期(新館)がオープン。中国の商業施設としては初の試みです。またハローキティやドラえもん、スーパーマリオなど子供や若者層に人気のキャラクターをテーマにしたイベントを開催し、「モノ」を売る場所だけでなく「コト」の体験を促す場としてのポジショニングも中国内で確立されています。

 また天津や上海、成都などの店舗では「ストリート」風のフロアに数多くの雑貨、小物、喫茶、軽食(麺類)などの小規模店舗を並べた新業態にも着手。施設内ながらあたかも香港や台北などで見られるレトロ感満載の小道に来たかのような演出が、若者客を中心とした“ブラブラ(ながら)”客を惹きつけています。

 スマホSNSの微信(ウィーチャット)を最大限活用し、O2Oを推し進めながら、さらには攻勢を受けるネット通販からも客を店舗に誘導するような工夫と企画をトライしています。

 単にアイススケートリンクやキッズ向け遊戯スペースなど「コト」用の箱(施設)を用意するだけの商業施設とは異なり、今や中国の「コト」消費のトレンドをどこよりもいち早くキャッチし、素早く実践に移す実行力で各地の消費者を「アッ」と驚かせる大悦城。中国消費現場の対応力と柔軟性を具現化する同店の分析と研究は一見の価値ありです。

 次にトレンドレポートとしてスマホ読書アプリの「ONE・一个(個)」を紹介しています。リアル(オフライン)からネット(オンライン)へと触手を伸ばす大悦城とは対照的に、「ONE・一个」はその逆張りとも言えるでしょう。

 中国の著名作家で若者にも大きな影響力を持つ韓寒氏が立ち上げたアプリで、スタートから24時間足らずでアップルストアにおける中国エリアの無料ダウンロードランキング第1位に。3000万人のユーザー数を擁し、アクセス回数は10億超、1日の平均アクティブユーザー数も200万に達するほどの人気ぶりです。

 スマホアプリに毎日画像、記事、コラム、Q&Aをそれぞれ1個ずつ配信する手法ですが、最近ではオフラインのイベントや期間限定のポップアップストアを開くなど、リアル面での攻勢が目立ちます。彼らがいかにリアルとネットの特徴を最大限駆使して中国の若者層から支持を得ているのか。大悦城とともに、参考に値します。

 現地視察レポートは、中国で最も有名な桜の名所・武漢大学です。3月中旬のちょうど桜満開のタイミングで武漢での消費者グループインタビューがありました。そこで、以前から一度は鑑賞したいと思っていた武漢大学の桜を求め、現地訪問してきました。

 多くの訪問客による騒音で学期中の学生の授業にも悪影響を及ぼすようになった武漢大学では、今年からスマホ(ネット)での事前登録が必要となりました。また入場は無料ながら平日は1万人、休日は2万人に制限される狭き門をくぐり抜け、実際に訪問した際の様子や事前登録の仕組みなどについて解説しています。

 小売流通現場では、中国コンビニ最前線レポートとして、急拡大する中国コンビニの実態についてフォーカスしました。

 15年には中国全土で毎日3店のコンビニが新規オープンしているという統計もあるほど、猛烈なスピードで発展を続けるコンビニ業界。実際に高齢化や女性の社会進出、離婚率の上昇などを理由に、コンビニでの日用品や食品の売上成長率がスーパーや百貨店を上回るほどです。

 こうしたトレンドを背景に、大手スーパーもコンビニ形態の新店舗をオープンさせるなど出店戦略の見直しを迫られています。中国も日本同様にコンビニが勢力を増していくのか、注目です。

 最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は上海と深圳で出くわした光景や出来事、4つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
vol.33(2016年4月号)  もくじ 
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【巻頭特集】
『大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に』
 コト(体験)消費の流れをいち早く捉えドラスチックに実行

【トレンドレポート】
『「ONE・一个」が提案する都会の文学ライフ』
 本とライフスタイルのコラボレーション

【現地視察レポート】武漢大学
『桜の名所、鑑賞するにはスマホが必須』

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『爆発的なペースでコンビニが勢力を拡大』
 中国小売・流通業の勢力図に変化が

【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『1個50元(約850円)の草団子「青団」とは??』
『「女性専用」「女性向け」が今後の潮流に??』
『経済減速でも世界中から熱いラブコールが!!』

【都市別調査】
重慶 vs 成都 編 ~その3
『コンビニ比較、ブランド比較 土地柄がニーズにも反映?』


会報誌バックナンバー

2023年12月号 (vol. 110)
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2023年11月号 (vol. 109)
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・中国「家居」消費トレンド洞察
・「新小売」新業態の無人コンビニ
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2023年10月号 (vol. 108)
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2023年9月号 (vol. 107)
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2023年7&8月号 (vol. 106)
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・アフターコロナの中国消費トレンド
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2023年6月号 (vol. 105)
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2023年6月号 (vol. 105)
2023年5月号 (vol. 104)
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・世代・地域別 中国消費者研究
・商品力でも勝負した盒馬(フーマー)
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2023年4月号 (vol. 103)
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・中国食品・飲料業界調査分析
・スーパー業にコト(体験)導入
2023年4月号 (vol. 103)
2023年3月号 (vol. 102)
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・中国Z世代調査分析
・中国KOLマーケティング調査分析
・中国ネットスーパーの変遷
2023年3月号 (vol. 102)
2023年1&2月号 (vol. 101)
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・2023年中国消費動向分析
・中国4大ECプラットフォーム分析
・ネットスーパー普及の4つの背景
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