会報誌2016年5月号(vol.34)では、巻頭特集に中国発の“100円ショップ”ともいえる「メイソウ」を取り上げました。
2013年11月に中国1号店をオープンしてから現在までわずか2年余りで、世界中に1400店舗を構えるほど急成長。進出先は香港、マカオ、シンガポール、クアラルンプール、ドバイ、ロサンゼルス、サンフランシスコ等。中国国内でもすでに1100店を超え、売上も50億人民元を突破しています。
ネット通販が猛威を奮い、百貨店やスーパーなど実店舗が軒並み不振のなか、その風潮に逆らうかのごとく好調を維持するメイソウ。同社の成功の秘訣について、商品及び価格戦略、調達管理、コンセプト、立地、フランチャイズ制度、コミュニケーション手法などの多角的な視点から分析しています。
次に企業研究として、中国飲用水市場のトップブランド「農夫山泉」をピックアップしました。
15年の飲料市場全体の約半分を占める飲用水。販売量は8400万トンで1344億元の売上を誇る同市場に、500社超のメーカーがひしめく中、農夫山泉をはじめとする怡宝、康師傅、娃哈哈など主要メーカーが62%を占めているのが現状です。
赤いキャップのプラスチックボトルでお馴染みの農夫山泉ですが、高級ミネラルウォーター分野では輸入ブランドの後塵を拝しています。
年率50%前後の成長を見せる同セグメントに少しでも食い込むべくとった戦略は“三本の矢”。つまり三つの異なるターゲット客層に対して別々の商品と価格帯を用意し、それぞれ異なる販売戦略をとるというもの。その詳細について、詳しく分析・解説しています。
現地視察レポートは、安徽省の省都・合肥です。
沿岸部と内陸部の主要都市のちょうど狭間に位置し、中国急成長の流れに取り残された「空白の地」。内陸主要都市の武漢や長沙、鄭州などと比べても、面積、人口、GDPなど大きく見劣りしますが、成長は目覚しいスピードを維持しています。
15年のGDP成長率は、全国平均を3.6%上回り、中部の省都の中では第1位になりました。GDPランキングでも10年の第38位から15年には第31位へ上昇、省都のみでは第12位で、その成長速度も12年連続で10%を上回っています。
こうした成長を背景に地下鉄など急ピッチで進むインフラ整備とともに急拡大したのが商業エリア。人口一人当たりの小売面積ではすでに上海を越えているとも言われる合肥ですが、その実態と今後の動向について現地から視察レポートしています。
小売流通現場では、中国コンビニ最前線レポートとして、山東省最大の経済都市・青島のコンビニ事情を紹介しています。
青島といえば、日本ではイオンの活躍が度々メディアで報道されていますが、コンビニ業界でもそのブランド力を活用した「迷你島(ミニストップ)」が存在感を増しています。09年に初出店してから16年3月時点で約60店舗まで拡大。地元消費者からの支持も多く集めていますが、10数のブランドが600店舗近くのコンビニが展開されている青島での競争は緒に就いたばかり。熾烈な競争が予想される青島のコンビニの状況をレポートしています。
最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は上海や天津で出くわした光景や出来事、6つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。
そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。
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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.34(2016年5月号) もくじ
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【巻頭特集】
『中国発の100円ショップ「名創優品(メイソウ)』
高品質低価格でネットショップに対応し大ブレイク
【企業研究】中国ビジネス最前線
『「農夫山泉」、高級飲用水市場を“三本の矢”で攻略』
斬新なドキュメンタリー広告で人々の心と“喉”を鷲掴み
【現地視察レポート】安徽省・合肥
『合肥の商業発展 現状と問題点』
商業エリアの拡張とショッピングモールの乱立
【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『青島がコンビニ出店激戦区に』
ミニストップが先行しセブンが追い掛ける
【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『いよいよ開園、空港がディズニー一色に!!』
『粽子(ちまき)にもディズニー効果か??』
『不二家が中国人気番組の冠スポンサーに!!』
『京東到家がモールに出店、ネットとリアルが共存?? 』
『熊本熊(くまモン)を通して復興支援!!』
『コナン展で垣間見た“鳥取”の存在感…』
【都市別調査】
重慶 vs 成都 編 ~その4
『鉄壁の食文化、重慶・進化続く“トレンディ成都”』