中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!
月刊会報誌『中国消費洞察』

2016年6月号 (vol. 35)

月刊会報誌『中国消費洞察』2016年6月号 (vol. 35)
 会報誌2016年6月号(vol.35)では、巻頭特集に家電やIT系メーカーが運営する「ブランド体験館」を取り上げました。

 現在の中国市場を描写する重要なキーワードの一つに「体験型マーケティング」があげられるでしょう。ネットショッピングの普及により大きな打撃を被る従来型の実店舗。その実店舗がネットショップ等の構築に努める一方で、商品の展示と販売を主体にした従来型の店舗から、「体験」をメインに捉えた新しい施設へと転換を図っています。

 「アップルストア」を典型例とするこの「体験型」店舗では、消費者が実際に商品を手に触れ、その機能や良さを「体験」することができます。また体験を通じて商品に対する理解が深まる他、ブランドの好感度アップも期待できるといった利点があります。

 家電量販チェーンの国美と蘇寧、スマートフォン(スマホ)の小米、エアコンの格力(GREE)、パナソニックの事例を紹介しながら、今こうして中国の新たな小売流通モデルの一つとして普及しつつある「体験館」の現状と実態を探りました。

 次に企業研究として、ネット動画サイトからテレビ、スマホ、自動車と業態を拡大し注目を集める「Letv(楽視)」をピックアップしました。

 今年4月14日に開催した「414ハードウェア無料デー」キャンペーンで、Letvはネット動画視聴会員と液晶テレビのセット販売を実施。つまり、入会料のみ支払えば、それとほぼ同額のハードウェア製品が無料で贈呈されるというもの。当日の総売上は23.6億元を突破(うち会員費のみで20.2億元)、テレビの販売台数は54.9万台、スマホも58.2万個となりました。

 また、Letvの液晶テレビ「超級電視」の4月の販売台数が計71万台で全体の19%を占め、売上トップに躍り出ました。中国のテレビ業界全体が不況にあえぐ中、3年に満たない短期間で目を見張る躍進を遂げ、家電業界全体を揺るがしたLetv。

 ハードではなくソフト販売をメインとし、ハードはあくまでもそのサブ的役割として「赤字」でもいいから“配る”という販売・囲い込み戦略は、既存のメーカーのビジネスモデルを根底から覆すものでしょう。そうした視点から、彼らの成功の秘訣や戦略について分析しました。

 中国統計データでは、ネット通販の普及により苦戦が続く外資系スーパーの動向をレポートしています。経済成長とともに急拡大してきた店舗網ですが、若者を中心にスーパー離れが深刻化する中、不採算店舗の閉鎖が相次いでいます。

 12年には外資系の大手スーパーチェーンが26店舗を、13年には31店、14年には上半期だけで118店を閉店しました。一方で、こうした3年の調整期間を経て、15年から外資系スーパーを中心に潜在的市場を求めた新規の開店が目立つようになってきました。

 その背景には、コンビニなどの小型店舗への転換やオンラインとオフラインを結び付けたO2O等の導入があげられます。15年の各外資系スーパーの出店・閉店動向やその経営状況から、中国における今後の潜在市場がどこにあるのかを読み解きました。

 中国コンビニ最前線レポートでは、世界ナンバーワンの密集度を誇る台湾のコンビニ事情を紹介しています。

 人口約2300万の台湾。コンビニ店舗数が15年に1万店を超え、一人当たりのコンビニ店舗数が日本を抜き世界一となりました。最大手はセブン―イレブン(統一超商)で、台湾全土で5032店舗(16年1月時点)を展開。市場シェアは約5割で、即席麺や飲料など地場系食品メーカー大手の「統一」グループが運営しています。

 2番手はファミリーマート(全家便利商店)で3000店弱。ハイ・ライフ(萊爾富便利商店)が約1280店、OKマート(OK便利商店)が約880店と続きます。15年の売上高が2892億台湾元に達し、今年は百貨店の売上に追いつく勢いで成長を続ける台湾のコンビニの状況をレポートしています。

 最後に今号も「中国・街角ウォッチ」を掲載しています。中国の街角で出くわした面白発見や驚きを写真とともにお伝えする企画。今号は山西省太原や上海で出くわした光景や出来事、3つの事柄についてその背景とともにお伝えしています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.35(2016年6月号)  もくじ
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【巻頭特集】
『近所の「体験館」が次の小売現場の新トレンド』
 “体験”をキーワードにネットからリアルへの回帰進む

【企業研究】中国ビジネス最前線
『テレビ業界の風雲児「Letv(楽視)」が大躍進』
 テレビ“ばらまき”でユーザーを囲む「生態」戦略を具現化

【中国統計データ】
『2015年の中国外資系スーパー総合評価』
 三線・四線級都市と新業態が成長トレンド

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『世界ナンバーワンの密集度でも成長続く台湾コンビニの今』
 コンビニが百貨店の売上に迫る台湾

【中国・街角ウォッチ】街角で出くわした面白発見&驚き
『山西省のソウルフード「刀削麺」にもロボット化の波が…』
『太原、EVとレンタサイクルで“エコ先進都市”へ脱皮か???』
『韓国人俳優の「ソン・ジュンギ」が中国の“時の人”に!!!』

【都市別調査】武漢 vs 長沙 編 〜その1
『華中2大経済都市 経済の武漢、消費の長沙』


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