会報誌2017年1&2月号(vol.41)では、巻頭特集に2016年の中国消費トレンド総括と、それを踏まえた上での17年の動向及び予測について考察しました。
世界的な不況や国内経済発展の鈍化にもかかわらず、活況を呈した中国消費市場。社会消費財小売総額は前年比10.4%増の33兆2,316.3億元。経済成長への消費支出の貢献度もは前年比4.9%増の64.6%だった。
EC(電子商取引)業界は好調を維持、年間のオンライン小売総額は前年比26.2%増の5兆1,556億元。なかでもモノ(商品)の売上は25.6%増の4兆1,944億元で、社会消費財小売総額の12.6%を占めました。
このように数字上は拡大を続ける消費市場ですが、総合スーパーや百貨店など以前活況だったリアルの消費現場では、閑古鳥が泣く商業施設もあり、見かけ上、どこで消費が拡大しているのか肌身に感じられない状況があるのも事実です。
その背景には今や中国全国民といっても過言ではないほど普及したスマートフォン(スマホ)とそれを介したビジネスが勃興し、中にはインフラ化したモデルも生まれています。
このように浮き沈みや移り変わりの激しい中国消費トレンドについて、消費者の趣向やニーズ、90後や00後といった世代間の違い、浸透するECとO2Oの実態、越境EC、出前代行や自転車などシェアエコノミー、人々の健康意識の高まりによる影響、シルバー層の消費潜在力、リアル店舗の逆襲、アニメやゲームなどのコンテンツ事情など幅広く調査・分析。20年には6.5兆米ドルに達するとボストンコンサルティングが予測する中国消費市場の「いま(現在)」について解説しています。
次は、企業研究として上海を中心に中国全土に店舗網を拡大する中国式ファーストフード「焼餅」の新鋭チェーン店「桃園眷村」をピックアップしました。
焼餅は小麦粉を捏ねて薄く伸ばした生地をカラッと香ばしく焼いた中華風パン。台湾では定番の朝食メニューの一つですが、これに白を貴重とした内装とヒノキ材のシンプルな机と椅子などレトロ感満載の店内環境がセットになり、人気を集めています。
台湾旅行中に「台湾グルメ」の虜になった中国人オーナーが中国での事業化を決意。台湾からコンサルタントを招き、コンセプトからメニュー、店舗設計、接客など、台湾式の管理を徹底し、内装にもこだわったとのこと。
台湾では通常約8元の焼餅油条が、約3倍の22元で販売。まさに「消費のアップグレード」の典型例であり、やり方一つで中国人の胃袋を虜にできる巧みな仕掛けと工夫に業界内外から注目が集まっている同社の成功の秘訣について分析しました。
中国コンビニ最前線レポートでは、江西省の省都・南昌のコンビニ事情についてレポートしています。人口は約510万人(13年末時点)。成長著しい内陸部の中心都市として商業面での発展も目を見張るものがある南昌。
特に今年5月にオープンしたショッピングモール「万達茂(WANDA MALL)」は、隣接するテーマパークや水族館と共に昨今の「コト」消費を引っ張る推進役として中国全土から多くの客を集めています。
そうしたなか、中国チェーン経営協会が公表した「2016年中国都市別コンビニ発展指数」で36都市のうち第11位にランクインした南昌。15年のコンビニ店舗数の増加率は20%で、南京、広州、杭州などの沿岸主要都市を上回ったのですが、特に注目すべき点は、地元政府からの政策面で手厚いサポートが与えられていることです。その詳細とは…。
最後に今号からスタートする新企画「会員からのQ&A」。会員企業より寄せられたご質問・ご相談についての回答を、会員間でシェアする趣旨です。中国ビジネスの最前線で奮闘されている企業様からのご相談なので、どれも目の前の課題や実務に則した内容で、ご興味をお持ちいただけるのではと考えています。
当会員サービスでは、ネット上で得られる情報の範囲内であれば、各種ご相談について情報収集及び整理して回答しています。第1回目は越境ECを検討中の会員企業からのご質問で、越境EC主要プラットフォームの状況と新興アプリ3社のリサーチ結果を掲載しています。
そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。
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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
vol.41(2016年1&2月号) もくじ
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【巻頭特集】
『16年の総括から考察する17年の中国消費トレンド分析』
「見よう見まね」を脱し「独自発展」段階に突入した消費現場も
【企業研究】中国ビジネス最前線
『中国式ファーストフードの革命児「桃園眷村」』
台湾式レトロ焼餅が中国人の胃袋を虜に
【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『市政府がコンビニ出店に対して資金サポート、居住区に適正配置する』
江西省の省都・南昌のコンビニ事情
【会員からのQ&A】
『越境EC主要プラットフォームの取引規模、会員数、客単価は?』
『越境EC新興アプリ3社(豌豆公主、格格家、小紅書)のリサーチ』
【都市別調査】
スマホの次は「紙」〜その②
『手帳文化の成熟ぶり 個性派独立系リアル書店』
スマホの次は「紙」〜その③
『自由度と信頼感の手帳 ネット書店も実店舗出店』