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月刊会報誌『中国消費洞察』

2017年11月号 (vol. 49)

月刊会報誌『中国消費洞察』2017年11月号 (vol. 49)
 会報誌2017年11月号(vol.49)では、巻頭特集に「西安」の消費現場を取り上げました。かつて、秦から唐の時代の都として1000年以上にわたり栄えた「長安」こと西安。改革開放政策による中国経済の急成長では、沿岸部どころか、内陸部の成都や武漢、鄭州などからも経済規模で水を開けられています。

 しかし中国政府が推し進める「一帯一路」戦略に伴い、内陸型改革開放の“新高地”に指定された西安には、関連投資や建設が活発化、いま再び注目されています。会計監査世界大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が公表した投資環境評価報告書で、西安が全国28主要都市のうち第8位にランクイン。中国最大の内陸港「西安港」を中心に、「モノ・金・人材」が集まっています。

 そうした中、西安の消費市場もここ数年で飛躍的に発展。16〜17年だけでも新規開業の商業施設は30を超えています。3万㎡以上のショッピングモールの数はすでに50以上で、総面積は635万㎡。これは12年比5.8倍で、18年末にはさらに935万㎡にまで達する見込みです。

 こうした商業施設はいずれも先進的で規模も大きく、ブランドラインナップやコト消費など、上海や北京など一線級都市と比べても引けを取らないレベル。昨今の「消費昇級(アップグレード)」トレンドを反映した店舗も目白押しで、抹茶喫茶やラーメン店など日本食も広く普及。流行りの「文創」複合書店や小物・アクセサリー店、さらにはコンビニも街中の至るところにあり、もはや消費の“後進”都市からは脱却しているといえるでしょう。

 一方で、かつて秦の都があった隣接の「咸陽」市を包み込む形で発展を促す「大西安」計画が17年にスタート。西安政府が「西咸新区」を一括管理、万達(ワンダ)や、華為(ファーウェイ)、比亜迪(BYD)など各界の名立たる企業からの投資誘致に成功しています。

 このように一帯一路を起爆剤に、新たな発展段階に突入した西安。この無限大の可能性を秘めた消費市場を目指し、中国百貨店業界でここ数年トップの座を維持している北京「SKP」も、いよいよ中国2号店を18年にオープン予定。このいま最も“ホット”な西安の消費現場について、商圏ごとに注目施設を紹介・解説しながら、現地視察の臨場感含めレポートしています。

 次に、業界研究では、中国EC市場をピックアップしました。中国EC業界にとって、一年で最も大事な「11月」。その理由は、11月11日の「双11(独身の日)」と、感謝祭(11月の第4木曜日)翌日の金曜日の「黒五(ブラックフライデー)」という2大セールが控えているからです。

 今年も単日の売上が記録更新の1682億元で成功裏に終わった天猫「双11」。ライバルの京東(JD.com)も、11月1日〜11日の双11セール期間に、1271億元の売上を達成。この約2週間後の開催となった越境ECメインの「黒五」セールでも、業界トップの網易考拉(Kaola.com)が前年比6倍、天猫国際3倍、京東全球購2倍と、各社目を見張るほどの売上の伸びとなりました。

 このようにとどまるところを知らない勢いが続く中国EC。そこで、今号では17年の天猫「双11」の販売結果やジャンル別のランキング、主な越境EC各社の統計をもとに、衣食住やライフスタイル、地域ごとの特徴、最近の売れ筋や人気商品、日系ブランドの動向など、中国人消費者が何を好み、何を買っているのかについて分析しています。

 中国コンビニ最前線レポートは、西安のコンビニ事情について。西安の街中の至るところで、日本で見慣れた「赤・緑・オレンジ」や「緑・青」を基調にした看板のコンビニを目にします。あたかもセブンイレブンやファミリーマートかの店構えをしているのが、西安最大のコンビニ店舗網を誇る「毎一天(everyday)」です。

 2010年6月設立。15年の中国コンビニチェーンランキングで、店舗数468で第25位。16年には625に増加して第22位まで上昇、17年6月時点ですでに700を超えています。西安のほか、同じく陜西省の宝鶏、韓城、周戸、延安、内モンゴルの包頭と阿拉善、河南省の鄭州の7都市にそれぞれ子会社を設立。西安を中心に周辺都市へと拡大しています。

 このように西部地区で“ドミナント”勢力を拡大する毎一天。店内の内装だけでなく商品構成から接客、配送網、O2Oの取り組み、さらにはイートイン向けメニュー開発など、地場系ブランドの中でも先端レベルに達している同社の詳細について深掘りしています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2017年11月号(vol.49)  もくじ 
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【巻頭特集】
『一帯一路戦略の“要塞”都市「西安」の消費現場』
 無限の潜在力を秘める西部地区の最前線、ハードとソフト両面で急発展

【業界研究】中国EC市場
『今年の「双11」&「黒五」セールに見る中国ECの消費トレンド』
 中国人消費者は何を好み、何を買う?

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『設立7年で700店舗 西安最大のコンビニ「毎一天」の成長戦略』
 陝西省の省都・西安のコンビニ事情

【都市別調査】
高まる健康志向 〜その②
『健康ブームの背景 直接要因と関節要因』


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