中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!
【第651回】 2024年を振り返って・・・

ヒトが集まるところに小紅書(RED)あり!?

2024年12月25日更新

江蘇省・徐州の“網紅”(ワンホン)スポットでチェックイン!
 2024年がもうすぐ終わろうとしています。皆さんにとって、どんな1年だったでしょうか?

 アフターコロナでようやく生活が元通りになると小躍りしていた2023年のスタートと違い、2024年は低調にスタートし、そのまま1年が過ぎ去ったような気がします。

 特に日中間ビジネスに関していえば、単に中国の景気低迷だけでは説明しきれない数々の問題と課題を抱えているように思えてなりません。

 実際に正直なところ、今年は中国市場に対して前向きな問い合わせをいただいたのは、ごくわずかでした。これまで何度か反日騒動で日本企業の中国パッシングを経験していますが、ここまで停滞したのは初めてです。

 日中間の往来だけでなく、中国の消費現場もコロナ前の活気にまでは戻りきれていないような気がします。飲食店やモールなど、以前のような賑わいが見られず、さみしい思いに駆られるのも事実です。

 一方で、今年は「下沈」市場を改めて見直したいとの思いで、二・三線級都市に属する江蘇省の揚州、淮安、徐州を訪れました。そこで目にした光景は上海とは大きく異なり、観光地やモールなど多くの客で賑わっていました。

 もちろん大型連休という理由もありますが、私なりに分析すると、おそらく小紅書(RED)との関係が深いのではと思っています。

 つまり、ヒトが集まっている場所はいわゆる“網紅”(ワンホン)という人気スポットなのですが、それらはいずれも小紅書の「攻略」コンテンツで紹介されている場所なのです。

 かくいう私も、周りの観光客と同じように「攻略」コンテンツを見て訪れているわけですから、必然的にヒトが多いところにたどり着くという構図です。

 観光スポットしかり、レストランしかり、B級グルメしかり、いずれも小紅書で紹介されたところで、なおかつそこに掲載された写真と同じ写真を撮るというオチ付きです。

 台湾から友人が上海に来て、同じように小紅書を参考に「City Walk」したところ、まさに同じ光景が広がっていました。ヒトが少なくなったと嘆いていたのは、小紅書で話題となっていないところを巡っていただけなのかもしれません。

 目まぐるしく変化する中国消費。自分の生活範囲のみで悲観的になっている場合ではありません。発想を転換し、SNSから現場へという流れで、また消費現場をウォッチしなければと思った次第です。

 2025年が皆さんにとって、実りのある年になることを祈りつつ…。良いお年をお迎えください。今年1年ご愛読いただきありがとうございました。
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